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2022 年度 実施状況報告書

協力価値を見出す劣加法性の数理の研究とその社会への展開

研究課題

研究課題/領域番号 21K11766
研究機関群馬大学

研究代表者

吉良 知文  群馬大学, 情報学部, 准教授 (50635860)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード協力ゲーム / 最適化 / 共同輸送 / 社会実装
研究実績の概要

本研究では、社会(ビッグデータ)の中から劣加法性を満たす部分構造(協力すると互いにメリットがある者の組合せ)を抽出したり、劣加法性を満たす部分構造にクラスタリングしたりする数理最適化技術の構築に取り組む。協力・連携する付加価値を社会に展開することが最大の目的である。令和4年度の主な実績は以下の3点である。
(A)昨年度に引き続き、劣加法性を満たす部分構造の抽出について、相乗り交通への応用を志向し、研究実施計画に記載した有望と思われるアプローチの効果を検証するべく、プログラムの実装を進めた。8割程度が完成している。
(B)昨年度の成果(輸送レーンが登録されたデータベースの中から協力効果が高い三角輸送の組合せを高速に列挙)を論文にまとめ国際誌への投稿をおこなった。一連の成果を搭載した共同輸送マッチングシステム(日本パレットレンタル株式会社が提供)は既に159の企業が利用(2023年4月時点)しており、国土交通省が作成した物流DX導入事例集にも掲載されている。また、先行研究調査をおこない本研究の立ち位置や強みを明らかにした。近い先行研究としては、Lane Covering Problem に帰着されるタイプの共同輸送の問題や、地理的に近い輸送レーンを識別することにより共同輸送の機会を検知することを試みた研究(Creemers et al., 2017)などがある。
(C)日本パレットレンタル株式会社(JPR)は、標準化と共同化をコンセプトに全国で輸送用のパレットを供給・回収する体制(シェアリング)を整えており,物流インフラと呼べる規模で運用されている。これまでにも、納品、回収、洗浄、次の需要に備えるリバランスといった運用計画の最適化に貢献してきたが、今年度は複数品目のパレットを考慮できるように定式化の拡張をおこなった。最適化ソルバーを開発し、JPR に提供した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度も限られた時間の中で、社会に貢献する新たな成果を出すことができた。また、これまでの研究成果の整理と学会発表・論文投稿についても、関係する企業と連携しながら、着実に進めることができた。

今後の研究の推進方策

今年度に引き続き、劣加法性を満たす部分構造を抽出したり、劣加法性を満たす部分構造にクラスタリングしたりする数理最適化技術の構築に向けて、研究実施計画に記載した有望と思われるアプローチの効果を検証するべく、プログラムの実装を進める。

次年度使用額が生じた理由

今年度も企業からの支援が得られた。また、ベストティーチャー賞の受賞により、所属機関からも支援(教育・研究のために使える報奨金)が得られた。一方で、新型コロナウイルスの影響により、オンラインで参加できる学会もあり旅費が節約できた。以上の理由により残額が生じた。
(使用計画)国際会議で研究成果を発表したり、論文を発表するための費用に充当する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Shipper collaboration matching: fast enumeration of triangular transports with high cooperation effects2023

    • 著者名/発表者名
      Akifumi Kira, Nobuo Terajima, Yasuhiko Watanabe, Hirotaka Yamamoto
    • 雑誌名

      arXiv

      巻: 2303.18222 ページ: 16 pages

    • DOI

      10.48550/arXiv.2303.18222

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ORで支援:物流業界が直面する競争から共創への転換2022

    • 著者名/発表者名
      吉良知文, 寺島伸男, 渡邉安彦, 山本広高
    • 雑誌名

      第34回RAMP数理最適化シンポジウム 予稿集

      巻: 第34回 ページ: 137--152

  • [学会発表] 数理で支援:物流業界が直面する競争から共創への転換2023

    • 著者名/発表者名
      吉良知文
    • 学会等名
      自動車技術会第3会議室(ハイブリッド開催)
    • 招待講演
  • [学会発表] 数理で支援:物流の共同化2023

    • 著者名/発表者名
      吉良知文
    • 学会等名
      計画数学セミナー
  • [学会発表] OR で支援:物流業界が直面する競争から共創への 転換2022

    • 著者名/発表者名
      吉良知文, 寺島伸男, 渡邉安彦, 山本広高
    • 学会等名
      第34回RAMP 数理最適化シンポジウム(RAMP 2022)
    • 招待講演
  • [備考] 吉良 知文 ホームページ

    • URL

      http://kira.si.gunma-u.ac.jp/~kira/index.html

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公開日: 2023-12-25  

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