研究課題/領域番号 |
21K11783
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
杉本 知之 滋賀大学, データサイエンス学部, 教授 (70324829)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 数理統計学 / 医学統計学 / 層別解析 / 確率過程 |
研究実績の概要 |
本年度は,本研究における一つの核となる基礎理論を開発するためのいくつかの研究を行った.その一つは,統計的方法の層別解析において,試験間変動をランダム効果として取り入れたランダム効果モデルに基づき,如何に推測すればよいかの課題に取り組み,その推測理論の開発を行った.いわゆるDerSimonian-Laird法に対する正確な推測理論を調査し,その理論研究を行ったところ,解析解を得ることが不可能とわかり,シミュレーションベースに導出するのがよいという結果が得られた.そのため,被積分分布を正規近似するAlmost正確法を新たに提案し,そのための理論開発と数値研究を行った.結果的に,Almost正確法であれば,実用に耐えられる水準の性能を得ることができることがわかり,それらの成果としてまとめた.また,Mantel-Haenszelによる層別分析についても,正確計算を計算代数統計の方法から短縮する研究も継続し,理論と計算結果のまとめを行っている.これらにより,さらなる層別解析の今後の機械学習利用に向けての足掛かりを得ることができると考えている. 他の研究としては,時間共変量をもつときのCox回帰モデルを実際に適用していくためには,時間変化する共変量を予測,もしくは補間する必要があるが,そのために,ガウス過程回帰と多重代入法を用いる研究を行い,学会発表などを行った.また2変量生存時間モデル,群逐次デザインの研究を行い,セミ競合リスクのもとで,どのようにログランク統計量が2変量分布をもつかを研究し,その結果をまとめた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画の初年度に掲げていた基礎理論の開発が順調に進んでいるため
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今後の研究の推進方策 |
初年度に掲げていた基礎理論の開発が順調に進んだため,次年度以降は医学統計や機械学習などへの応用を行う研究を当初の計画に従って進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
出張計画の変更を行い,次年度以降に出張を行うことにしたため
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