研究課題/領域番号 |
21K11789
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
高見 利也 大分大学, 理工学部, 教授 (10270472)
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研究分担者 |
大城 英裕 大分大学, 理工学部, 助教 (80194091)
行天 啓二 大分大学, 理工学部, 准教授 (80305028)
下川 倫子 奈良女子大学, 研究院自然科学系, 准教授 (80554419)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 同期分析 / 自己符号化器 / 動的時間伸縮法 |
研究実績の概要 |
最終年度の研究は、時系列として複数のビデオ映像を対象として運動時系列のモデリングに対する評価を中心に実施した。ビデオ映像としては、複数の人の動きを記録したものを使用し、これら映像に対する数理モデル化の実施と、複数の時系列間の同期の分析を実施した。このうち、複数の時系列間の同期分析では、本研究課題で想定していた動的モード分解(DMD)に加えて、動的時間伸縮法(Dynamic Time-Warping, DTW)によって時系列間のずれを解析した。いずれも、ビデオ映像などの大自由度の時系列を対象とし、個々の次元が対応していない場合でも同期分析を実施できるかどうかの検証を行った。具体的な分析方法は、次の3段階である。まず最初は自己符号化器による教師なし機械学習で、同様の動きをしている映像データを多数用意し、それらから切り出した画像フレームを使って学習させる。次に、分析対象となるビデオ映像の時系列を自己符号化器に入力として与え、中間層から次元を圧縮した特徴量の時系列を取得する。このようにして複数の映像時系列から特徴量の次元を揃えた時系列を取り出し、最後の段階としてこれらの時系列間の同期分析をDTWにより実施する。この手法により映像時系列間のずれを検出し、その精度を議論した。さらに映像と音楽の間の同期についても、同様の分析手法を応用することによって実施した。また一般の時系列を自己駆動粒子系に外場として加えたときの同期現象を利用してリザバー計算機を構成し、これによる時系列予測の可能性についても研究を実施した。研究期間全体を通して時系列のモデリングと分析手法を開発し、時系列間の同期現象、および、時系列予測と自己駆動粒子の集団運動との関係について成果を得た。
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