多次元データが単調型欠測データの下で、次の3つの課題:(1)多変量正規性検定問題、(2)平均ベクトルや分散共分散行列に関する検定問題、(3)成長曲線モデルの下での適合性検定問題について、それぞれ研究成果を得た。ここで単調型欠測データは、欠測構造として完全ランダム欠測を仮定している。 (1)については、主に多変量標本尖度を用いた検定統計量の導出とその正規近似の精度評価、(2)については、分散共分散行列に関する尤度比検定統計量および修正尤度比検定統計量の導出と部分平均ベクトルの検定統計量の提案とその帰無分布の導出、(3)については、検定統計量とその帰無分布に対するF近似などである。
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