研究課題/領域番号 |
21K11803
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
口羽 文 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 准教授 (40510699)
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研究分担者 |
坂巻 顕太郎 横浜市立大学, データサイエンス推進センター, 特任准教授 (30644819)
篠崎 智大 東京理科大学, 工学部情報工学科, 講師 (60644482)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ケース・コホート研究 / 多段階サンプリング / 欠測データ / 一般化可能性 / 転移可能性 / 逆確率重み付き法 |
研究実績の概要 |
本研究では,1つのコホート研究内に存在する複数の不完全データを統一的に扱う方法論を開発するため,1.多段階サンプリングモデルの構築,2.解析方法の開発とサンプリングデザインの検討,3.実データへの提案・応用,を主軸に取り組んでいる. 本年度は,引き続き一部の対象者が重複する2つのケース・コホート研究を統計学的に統合するための方法論の開発に取り組んだ. 1.では,標的集団との関係により解析対象集団を分類し,それぞれに対する選択モデル(サンプリングモデル)を定義する.また,選択確率の推定に用いるデータを特定した. 2.では,1のサンプリングモデルの下,統合解析方法を構築している. 昨年度の成果より,提案手法は,解釈性,推定効率の点から既存の方法より優れていることを確認した.一方で,特に,重複している対象者のデータに関してはいくつか課題が残った.実際,本研究のきっかけとなった応用研究の中でも,データのとられ方や目的が異なり,それぞれに対応した方法論上の課題が生じた.そこで,この新しい課題の1つに対応するため,昨年度構築した手法をもとに,1.と2.のモデル,解析方法の拡張を行った.拡張した提案方法について,擬似乱数によるシミュレーション研究によって,バイアスや推定効率などの性能評価を行い,結果をまとめている. また,並行して,コホート研究内の腫瘍分子マーカーデータを用いた研究に対する解析方法の論文を投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,一部の対象者が重複する2つのケース・コホート研究に対する2段階サンプリングモデルの拡張を行い,解析方法の提案とシミュレーションによる性能評価を進めている.昨年度の提案をより広い状況に適応できるよう拡張したところである.
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今後の研究の推進方策 |
今年度までの成果を実データの解析結果とともに論文として公表する.また,引き続き実データへの応用や課題の抽出を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症流行の影響により予定していた国内外の出張が中止になったため.次年度以降,参加が可能となれば国内外の学会参加,旅費に使用する.また,計算機の購入や使用,論文投稿や掲載の費用に計上する予定である.
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