研究課題/領域番号 |
21K11807
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
黒木 修隆 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (90273763)
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研究分担者 |
沼 昌宏 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60188787)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 人工知能 / 画像処理 / ニューラルネットワーク / 機械学習 / Deep learning / AI / PyTorch |
研究実績の概要 |
本プロジェクトはAI産業の発展に貢献するため、ニューラルネットワークの中でも視覚情報系のAIモデル(監視カメラや画像処理を目的とするAI)の設計を支援するCADシステムを構築することが目的である。 2021年度はAIを用いた様々なアプリケーションを収集し、プログラミング言語による記述とネットワーク構造の関係を整理した。視覚(カメラ)を用いたアプリケーションの代表例として、「画像認識」、「3次元計測」、「異常検知」、「スポーツ解析」、「フェイク画像(改ざん)検知」および「超解像技術」の実装および動作確認を完了した。(※これらの研究成果は論文2件、国際会議1件、および国内会議7件において発表した。) 上記の様々なネットワーク構造の記述言語としてはPyTorchと呼ばれる言語が当開発チームのCADシステムに適していると判断した。なぜならPyTorchの関数呼び出しの構造は当CADシステムのモジュール呼出しの構造と親和性が高いからである。そこで、上記の様々なネットワーク構造を要素技術に分解し、モジュール単位で整理して記述することにより、ユーザが容易に構造を理解・解析できる形に整理した。2022年度はユーザがこれらの構造をGUIを用いて記述・表現することにより、PyTorchのソースコードを自動生成することを目標とする。これが実現できれば、言語による構造記述とグラフィカルな構造記述の間を双方向にコンバートすることが可能になり、より高度で大規模なネットワークを短時間で設計することが可能になるため、AI技術者にとって強力な設計支援ツールになると期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当開発チームがGUI作成のためにあらかじめ準備していたプログラム(Visual C++で設計)は、予想通りPyTorchとの親和性が高い事が確認できた。モジュールをマウスで結合しながら設計するというGUIは、そのままニューラルネットワークの設計に転用できることが分かった。これにより、次年度も計画通りプロジェクトを推進できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本プロジェクトは当初の計画通り、2年後に「マルチプラットフォームAI開発向けネットワーク構造設計・合成・解析システム」の完成を目指す。次年度は提案システムのインターフェース部の完成を急ぐと共に、予定通り「PyTorchによる記述の自動生成エンジン」の構築を目指す。 また、上記の研究成果は各種学会・論文等で逐次報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当年度の残額は通常の価格変動による誤差程度(全体予算の0.1%程度)であり、備品を購入できる金額ではない。そのため、次年度に使用を持ち越した。 次年度の支出計画に大きな変更はない。
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