研究課題/領域番号 |
21K11814
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
大川 猛 東海大学, 情報通信学部, 准教授 (80392596)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | FPGA / モデル駆動開発 / 知的ロボット / エッジ / コンポーネント |
研究実績の概要 |
クラウド処理、エッジサーバ処理、CPU処理、FPGAやGPUなど異種の処理システムを統合的に、適正な機能分割、性能シミュレーション、更にFPGAも含めた異種処理システムごとの実装コードを自動生成する異種処理システム統合モデルベース設計環境(手法)を構築する。そのため、下記3つの研究開発項目に取り組む。 令和3年度は、以下の研究を行った。 (A)ハードウェア・ソフトウェアを含む多くの異種の処理環境を適切にモデル化する方法:モデル化の方法について、モデル駆動によるFPGA設計開発対象の機能定義について検討した。具体的な題材として、簡単なロボットアーム(4軸もしくは6軸の可動域)および小型のロボットドッグ(12個のサーボモータ)を用いることとし、ROS2(Robot Operating System 2)による処理の通信による統合を行う枠組みで、開発環境の構築を行った。次年度以降、(B)・(C)による自動生成システムの出力で、構築したロボットアームおよびロボットドッグを用いた動作検証を行う予定である。 (B)上流設計における抽象度の高いモデルでの性能シミュレーション方法: 性能シミュレーションについては、(A)のモデルに基づく方式実証のための機能・性能シミュレータを、ROS2に用いられる通信ミドルウェアDDS(Data Distribution System)の活用により構築するための基本設計を進めた。しかしながら、シミュレータの実装と動作検証は未着手であり、次年度の課題である。 (C)モデルから実装を生成することが可能な自動化設計手法: 自動化設計手法については、UML(Unified Modeling Language)モデルからFPGA向けに高位合成可能なC/C++実装生成を行うシステムの実現を目的に検討を行った。コード生成システムの実装は未着手であり、次年度の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(A)モデル化方法の検討については、多くのシステム開発事例を調査することで方向性を決めることが出来たが、(B)のシミュレーション方法・(C)の自動生成については、シミュレータおよび生成ソフトウェア開発のための、まとまった研究時間を確保することが出来ず、進展が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
(B)のシミュレーション方法・(C)の自動生成については、開発項目の具体化・細分化を行い、小さなステップで着実に研究を進められるようにする。 また、(A)のFPGA環境について早々に導入を行い、開発を加速できるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費に関しては、FPGA開発基板の納期が長くかかることが分かったため、次年度に購入を延期した。旅費についてはコロナ禍の影響で、調査・情報収集・発表等を次年度に延期することとした。また、謝金・その他の支出についても、同様にコロナ禍の影響で作業を依頼することが出来なかったので次年度に延期することとした。
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