研究課題/領域番号 |
21K11817
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
吉村 正義 京都産業大学, 情報理工学部, 准教授 (90452820)
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研究分担者 |
細川 利典 日本大学, 生産工学部, 教授 (40373005)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | IPコア流用検知 / 論理ロック |
研究実績の概要 |
近年LSIの設計に,第三者が設計し提供するLSIの部分的な設計データ(以下IPコア)が広く使われている.このIPコアは,ブラックボックス化された機能確認用の設計データとホワイトボックス化された物理設計用の設計データから構成されている.しかし,ホワイトボックス化された物理設計用の設計データに基づいて,機能確認用の設計データの逆生成を防ぐことは原理的に困難である.そのため,悪意のある設計者によって,機能確認用の設計データを逆生成され,生成された設計データの改竄や流用の恐れがある. 本研究では,この改竄や流用を防止するためのIPコア設計技術の開発を行う.具体的には,順序回路の特定状態においてのみ起動するトロイ回路を混入する技術と論理暗号化技術に基づいた鍵入力に応じて論理回路の振る舞いを変化させる技術によって,IPコアが不正に流用や改竄された際に,LSIや設計データに予め混入されたトロイ回路によって,流用や改竄の検知を行い,IPコアの流用を抑止する. 今年度の計画は複数の鍵を有する論理ロック手法の開発を行なった.設計者のみが鍵入力値の印加によって,ロックされた回路は正常に動作する.本研究ではRTLにおいて論理ロック部分を設計し,機能修正回路を追加することで,攻撃者からの鍵入力を特定する攻撃への耐性を向上させる手法を開発した.実験により攻撃に対する耐性が十分あることがわかった.次年度は機能修正回路を拡張し,複数の鍵入力に対して正常に動作するよう拡張を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画通りに進行している.ただ一部の評価回路に対して,実験が完了していない.
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今後の研究の推進方策 |
一部の評価回路に対して,実験が完了していない. この実験を行うため,令和5年度は複数の計算機で実施する.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ禍で,研究体制がうまく構築できず,研究の進捗が滞ってしまった. 次年度は研究が促進できるよう, 物品費として活用し,計算機環境の刷新を行い,研究体制の構築をはかる.
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