研究課題
本研究では、大規模集積回路システム内の電気配線上などでの高速伝送手法として採用されるPAM-4(Pulse amplitude modulation-4)などの多値伝送方式に対して、新概念での多値符号判定方式の構築を目指している。令和3年度では、多値伝送特有のシンボル遷移パターン毎の符号間干渉の影響を可視化するために、XY平面に受信信号をプロットする2次元マッピングによる新しい評価方法を提案した。2次元マッピングによって、従来のEyeパターン評価では完全にEyeが閉じて定量的な評価が難しい状況においても、受信信号の符号間干渉等の影響を可視化でき、伝送特性が評価可能である事を示した。令和4年度には、2次元マッピングにて2次元平面にプロットした受信信号を、Linear mixture model(LMM)にてモデル化することによる定量的な評価手法を新提案した。最終年度では、LMMに基づく符号判定手法を開発し、2次元マッピング上でのシンボル分布整形を主目的とした新たな波形整形手法を提案した。具体的には、アイパターンにてアイが完全に閉じた状況でも、2次元マッピング上では受信シンボルの特徴を可視化できる点に着目し、2次元マッピングでシンボルを分離、判定する。本研究では、2次元マッピングでより正確にシンボルを分離するための波形整形を新提案し、Feed Forward Equalizer(FFE)での係数設定で実現可能なことを示した。受信端アイパターンの改善を目的する従来手法では、送信側での波形整形の出力の高周波数成分が強調され、送信信号が増加する傾向にある。一方で、新提案したシンボル分布整形を目的とした波形整形では、波形整形無しの場合と比較して送信スペクトルが大きく変化せず、高周波数成分の増加を抑えてられる事を明らかいにし、そのハードウェア実装方法について基礎的検証を実施した。
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IEICE TRANSACTIONS on Information and Systems
巻: Vol.E107-D,No.8 ページ: -
2023 IEEE 53rd International Symposium on Multiple-Valued Logic (ISMVL)
巻: - ページ: pp. 99-104
10.1109/ismvl57333.2023.00029
巻: - ページ: pp. 94-98
10.1109/ismvl57333.2023.00028
https://www.oyama-ct.ac.jp/gakka/ee/faculty_list_ee_link/gkg-denki_07_lab/