研究課題/領域番号 |
21K11826
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
岡野 浩三 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (70252632)
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研究分担者 |
岡本 圭史 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (00308214)
関澤 俊弦 日本大学, 工学部, 准教授 (10549314)
小形 真平 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (10589279)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 機械学習 / 形態素解析 / 自然語処理 / 時間オートマトン / 有界モデル検査 / バグ局所化 |
研究実績の概要 |
情報システムにおいては,開発期間の短縮化と高信頼性の担保の両立が大きな課題である.情報システムの開発において要求仕様記述からソースコード記述のあらゆる段階でバグ混入の可能性がある.要求記述においては自然語仕様記述が行われている.バグ解析に対する形式的アプローチは有効であるが,自然語記述に対するアプローチは十分でない.また,要求解析についてはSTAMP (Systems Theoretic Accident Model and Processes) に基づいた解析手法STPA (System-Theoretic Process Analysis)に形式手法を併せる方法も有効であると考えられる.ソースコードのバグ解析に対してはソフトウェアモデル検査の反例解析の研究が有効である. 本研究では次の学術的問題を対象とする.(RQ1) 自然語による仕様記述から状態遷移モデルや検証性質等,形式的仕様記述へ適切に変換する方法論はあるのか? (RQ2) モデル検査の反例の有効活用はどこまでできるか? (RQ3) STAMP/STPA と自然言語処理,形式手法との連携方法は? (RQ4) 提案方式の総合的な連携フレームワークは実用的に有効か? これらの学術的問題の解決のために,主に組込みシステムを対象に4年の計画で,課題解決のための提案手法の有効性を確認していき,有用な開発手法の発展を目指す. 今年度は自然言語解析をもちいた要求仕様書解析と時間オートマトンのモデル検査についていくつかの進捗があった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は自然語要求仕様記述の解析において機械学習を援用した形態素解析や構文解析を活用する方法について成果をだした.また,論理演算の機構をとりいれた時相解析の方法についても知見を得た.コードのバグ解析については機械学習を援用することによるテストケース分類やバグ発見について結果をだした.また,時間オートマトンに対する有界モデル検査の手法を実装することができた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き自然語要求仕様記述の解析の研究を進めるとともに,コードのバグ解析については機械学習を援用する方法について取り組んでいきたい,また,実装した時間オートマトンに対する有界モデル検査の手法を用いた反例を解析することによるバグ発見を機械学習に援用する方法や反例解析をSTAMP/STPAに活用する方法について取り組みたい.また機械学習プログラムの解析や安全性解析を行う方法についても取り組みたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
発表のための旅費の使用が想定よりも少なかったため.今年度は出張を伴う発表やすでに採択された国際会議等の発表が複数回見込まれるため,R3年度からの繰り越し分を含め,支出予定.
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