研究課題/領域番号 |
21K11847
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
石田 繁巳 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (10724388)
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研究分担者 |
峯 恒憲 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (30243851)
荒川 豊 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (30424203)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | コンテキスト推定 / ユーザ推定 / 音響センシング |
研究実績の概要 |
本研究は,複数のユーザが同時に通信を行う家庭内ネットワークにおいて,時々刻々と変化する「ユーザ状況」に基づいたQoS (Quality of Servie)制御を実現することを目的としている.QoS制御は元来から実現されている技術であるが,インターネット,ネットワークなどに関する高度な知識を有するユーザがQoS制御を取り入れたネットワークを構築するなどとして利用されているものであり,一般家庭のユーザが手軽に利用できるものとは言い難い.本研究では専門知識を持たない複数のユーザがいる状況を想定してQoS制御を切り替える方式を提案している. R5年度は複数ユーザの行動を認識するセンシング技術に関する研究を主に行った.複数人の行動推定が当初想定したよりも困難であり,研究的価値が高いと判断し,センシング技術に注力して研究を行った.R4年度の成果を拡張し,日常生活を送る中での行動によってユーザを特定する技術として,物理的なボタンとタッチパネルボタンの押下によるユーザ推定の差異について研究を行った.ボタンを押す動作は,対象となるボタンが変化すると異なるものとなる.同一の個人であってもボタンによって押下方法が変化するためにユーザ推定精度が低下することから,ボタンからのフィードバックの有無などがどのような影響を与えるかについて調査・研究を行った. さらに,音響センシングにより部屋の状況を認識する技術を提案し,その応用例の1つとして,スマートフォンを捜索する手法を示した.音響信号や振動によって発生する音は,音源の周辺状況(触れているものや音源が覆われているか否かなど)によって変化する.様々な音源から周辺状況を推定することで家などの中の状況を推定することが可能となる.その応用の例としてスマートフォンを音源としてスマートフォンの周辺状況を高い精度で推定できることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画とは順序を変えて実施した結果,複数人の行動センシングの重要性及びその難しさを発見し,研究の方向性を変更して実施している.当初の予定とは異なる方向性で実施しているが,新型コロナウィルス感染症対策のために実験が制限された影響による遅れを完全に取り戻すには至っていないことから,「やや遅れている」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
当初計画を見直し,研究的な価値の高いセンシング技術に関する研究,評価実験を実施する.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れに伴い,成果報告を行う機会が少なくなった.このために旅費の支出が大きく減少したことが大きく影響した.繰り越された予算は,実験の実施に必要な機材の購入など,実験を行うために使用する予定である.
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