研究課題/領域番号 |
21K11867
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
若宮 直紀 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (50283742)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 無線センサネットワーク / リザバ計算 / 分布推定 |
研究実績の概要 |
本研究では、センシング、情報処理、通信の全てをパルス信号で実施する脳型無線センサネットワークによる情報基盤の確立を目指し、リザバ計算の応用によってパルス信号授受のダイナミクスから観測値の空間分布などの詳細な情報を高い精度で取得することを目的としている。令和3年度においては、各ノードが具備するバイナリセンサの閾値設定やデバイス種別によるセンサの有無、ならびに観測値がセンサ閾値を超えた際にニューロン回路に与える入力電流の大きさ(【課題1】多様なパルス発信を行うためのデバイス設計)、また、パルス送信状態を観測する読み出しノードの配置(【課題2】多様なダイナミクスを形成するためのネットワーク設計)、さらに、読み出しアルゴリズム(【課題3】情報抽出アルゴリズムの構築)について、様々な手法の検討、評価を行った。その結果、読み出しノードならびに抑制性ノードを除いたノードについて一様分布の閾値を持つバイナリセンサを搭載し、入力電流を10000 mV、また、領域の四隅と中央に配置した読み出しノードのパルス発信状態にもとづいて勾配ブースティング勾配木を用いて推定することによって、先行研究の半分以下の推定精度を達成した。あわせて課題2においては、脳型無線センサネットワークのダイナミクスの評価指標としてスパイク列を対象とした距離関数の比較評価を行い、スパイクの数や位置ずれを定量化する指標が推定精度と高い相関を持ち、有用であることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は課題1のデバイス設計、課題2のネットワーク設計、課題3のアルゴリズム構築に順次取り組む予定であったが、これらの研究課題を並列、統合的に推進することによって、先行研究と比較して平均推定誤差を最大10分の1に低減することが可能となった。本成果は国内学会で口頭発表済であり、また、国際学術論文誌への投稿を準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度以降においては、前年度の成果にもとづいて、脳型無線センサネットワークのさらなる精度向上、観測対象の時間的な変動への対応、ならびに脳型無線センサネットワークを含む情報通信システムの全体アーキテクチャ設計などの研究に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
既存設備の空きが生じたことによる物品購入の減、ならびに当初予定していた学会や国際会議の開催形態変更や中止による出張の取りやめにより次年度使用額が生じた。なお従前の形態で開催する会議も増加傾向にあり、令和4年度以降に計画的かつ効果的に予算執行する。
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