研究課題/領域番号 |
21K11874
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
大塚 裕幸 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 教授 (60594067)
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研究分担者 |
山口 実靖 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 教授 (50439262)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | モバイルネットワーク / ヘテロジーニアスネットワーク |
研究実績の概要 |
(1)シミュレーションに用いるトラフィックモデルとしてこれまでフルバッファトラフィックモデルを用いていたが,新たにFTPトラフィックモデルをシステムレベルシミュレーションに追加実装した.下り回線においてユーザ端末がダウンロードするファイルサイズを固定し,そのファイルをダウンロードし通信を終了したユーザ端末は基地局に呼を要求しない,すなわち基地局はそのユーザ端末にリソース割当てを行わない事象を確認できた. (2)2GHz帯を用いるマクロセルと4.5GHz帯を用いるピコセルから成るヘテロジーニアスネットワークモデルを構築し,さらにパーソナルピコセル手法の一つであるピコセル拡張技術(適応制御型CRE)をシミュレータに実装した.ヘテロジーニアスネットワーク全体の平均ユーザスループットを評価した結果,FTPトラフィックモデルにおいても提案手法は効果を示すことが確認できた. (3)ヘテロジーニアスネットワークにおいて,ピコ基地局をセクター化し,さらにそれぞれのピコセクターに3次元ビームフォーミング(3D-BF)を適用した場合の特性評価を進めた.ピコセルのセクター数は最大12まで,また3D-BFのビーム数は最大36まで設定できるようにシミュレータを作成した.さらに,ピコセルのセクター数,および3D-BFのビーム数をパラメータとしてヘテロジーニアスネットワークのユーザスループットを評価し,セクター数と3D-BFのビーム数のトレードオフについて検討を行った. (4)本研究テーマの拡張として全二重無線通信の検討を進めた.まずは,全二重無線通信の実現に必要な自己干渉補償技術の検討を行った.5Gで定義されたDMRS信号を自己干渉のチャネル推定に用いた自己干渉補償器を提案し,リンクレベルシミュレーションに本提案技術を実装し基本特性を取得した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大規模なシステムレベルシミュレーションを実行するために必要な高速ワークステーションの設計は順調に進展した.5Gの無線パラメータに加えて,FTPトラヒックモデル,3D-BF,パーソナルピコセル手法であるピコセル拡張技術(適応制御型CRE)をシミュレータに実装することができた.これにより2GHz帯マクロセルと4.5GHz帯ピコセルから成るヘテロジーニアスネットワークのユーザスループット特性を取得できるようになったため,研究は順調であると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
(1)FTPトラヒックモデルが正常に動作することを慎重に検証する.その上で,パーソナルピコセル手法であるピコセル拡張技術(適応制御型CRE)の効果を評価する.また,ダウンロードするファイルサイズ,ユーザ端末数をパラメータとして特性評価を進める. (2)ヘテロジーニアスネットワークにおいて,マクロセルに2次元ビームフォーミング,かつピコセルに3D-BFを適用するシミュレータを開発する.ピコセルのセクター数,および3D-BFのビーム数をパラメータとしてヘテロジーニアスネットワークのユーザスループットを評価する (3)全二重無線通信における自己干渉補償技術を確立する.特に自己干渉が時間変動する場合の自己干渉補償器の効果を検証する.具体的には,チャネル推定に用いるDMRSの数に対する補償効果を明らかにし,最適なDMRSの数を明らかにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
一部研究の見直しが必要になったこと,および実験機器の故障による.
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