研究課題/領域番号 |
21K11876
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
武 博 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 助教 (70802031)
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研究分担者 |
呉 鳶 愛国学園大学, 人間文化学部, 准教授 (30822423)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | motion analysis / human factors / joints angles analysis / human centric computing / mowing behaviors / fall detection / elderly support |
研究実績の概要 |
本年度は、斜面における高齢者の草刈り動作を中心に研究し、手持ちのモーションキャプチャー設備(Xsens MVN Animate)と科研費で購入したアイトラッカー(Tobii Pro Glasses 3)の設備をもって、4人の高齢の草刈りエキスパートを要請し、広島県の東広島市の農用地(畦畔法面)で現地実験を実施しました。 具体的に、行われた実験では、専門のデバイスとソフトを用いて草刈りエキスパート達の身体動作と眼球運動の情報を収集し、関節(腰・肘・膝・足首など)の屈曲角度や草刈り作業中の視野範囲、注視の順番、平均注視時間・回数などの特徴量をもって、参加者の姿勢・動作・視線の動きを解析している。 関連の研究成果は1件の国際会議論文と1件のジャーナル論文として発表した。尚、発表した国際会議論文はワークショップのThe 2nd IEEE international workshop on the Impact of Internet of Things on Daily Life (IoT Life)に属し、学会の IEEE Outstanding Workshop Paper Awardを獲得した。 この一連の発表および論文では、これまであまり研究されることのなかった法面における草刈り作業中の高齢者の身体動作について、モーションキャプチャーデバイスを用いて、その転落リスクや危険な姿勢、そしてその姿勢間の差異などを詳しく解析・検討した。 解析結果は比較的高齢で体格の良い作業者は、斜面での草刈り動作がより安全である可能性が示されました。また、転倒のリスクを低減するために、作業者は斜面での草刈り時に腕に注意を払う必要があることがわかった。この結果は、今後の転倒検知システムの開発データとして利用できるとともに、新人草刈り作業者のトレーニングに有用な知見を提供するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は予定通り、広島で草刈りに関する動作実験を行い、国際会議およびジャーナル論文の発表も順調に済ませた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の実験で収集したデータを充実するために、実験デザインを見直し、次年度では広島に第二回実験(さらなる視線データ取得するため)を行う予定である。そして、データ解析の上に、その成果をまとめて、2番目のジャーナル発表を目指す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の2月に投稿したジャーナル論文がAcceptされたが、その時点で既に助成金の残額が足りない状態となったため、ジャーナル掲載料の支払いは今年度中に出来なかった。(このジャーナルの掲載料は次年度の助成金で支払い予定) 故に、2月の時点で残された残額を次年度に利用するために、未使用額が生じた。 従って、残された未使用額を次年度の助成金に加えて、広島での第二回実験で生じる旅費、人件費および論文の投稿費などに利用する予定である。
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