研究課題/領域番号 |
21K11878
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研究機関 | 大同大学 |
研究代表者 |
君山 博之 大同大学, 情報学部, 教授 (10757644)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | VM / KVM / 性能モデル / NFV |
研究実績の概要 |
クラウド環境で利用されている仮想マシン(VM)の単体処理性能について,そのモデル化を目指し,初年度である2021年度では,実際のクラウド環境で利用されているPCサーバ機を3式導入し,これらのサーバ高速ネットワークで結んだ擬似的なクラウド実験環境を,学内の実験室内に実現した.さらに,これらのPCサーバ機上に,KVM(Kernel-based Virtual Machine)ソフトウェアを用いて,複数のVMを起動できる環境を構築することによって,後述するベンチマークプログラムを動作させることが出来る実験環境を実現した.また,VMの基本性能を評価するためのベンチマークプログラムとして使用するための,処理性能評価機能を持ったストレージへの書き込み処理・読み出し処理,および,CPUに対して負荷をかけるための8K画像に対する,解像度変換処理を行うプログラムを開発した. 上記の疑似クラウド実験環境上のVM,および,国立情報学研究所が管理運営している学術ネットワークであるSINET5(Science Information Network 5)上に構築されているNetwork Function Virtualization(NFV)環境上に構築したVMを対象に,上記ベンチマークプログラムを用いて,VMの仮想CPUやストレージに対する基本性能や,競合時の性能変化の評価を行った.その結果,ストレージに関しては競合とは関係なく性能が一定であることが確認された一方,CPUに関しては,仮想CPU数を超えてCPUを使用した場合に,性能低下が見られることが確認された.現在,そのような現象が発生するメカニズムについて調査を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
世界的な半導体不足により,PCサーバやネットワーク機器の納期が例年よりも長く,実験環境の構築に時間がかかってしまったため.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度,構築した実験環境とベンチマークプログラムを使って性能評価を進め,性能評価結果から,性能モデルの構築を行って行く予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
科研費が利用可能となった時点で,PCサーバに導入する予定の高速ネットワークインタフェースカードの納期が10ヶ月以上であったため,2022年度の導入としたことから,高速ネットワークインタフェースカード価格分が計画との差分となった.
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