研究課題/領域番号 |
21K11905
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
根本 達也 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (10572555)
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研究分担者 |
升本 眞二 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (40173760) [辞退]
V. Raghavan 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (30291602)
米澤 剛 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90402825)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 深層学習 / 地層の対比 / ボーリング柱状図 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,3次元地質モデリングにおいて膨大な時間を要している地層の対比を効率良く行えるシステムを開発することである.そのために,本研究では,深層学習を用いて,地層を分類する方法を検討する,専門家が深層学習による分類結果を確認し,修正や追加を行うための方法を確立する,対比結果に対する論理的な矛盾の有無を確認・表示する方法を確立する,および,これらの機能をもつ地層対比支援システムを開発する.本年度の主な成果は以下の通りである. (1)深層学習のためのデータの形式等を検討し,ボーリングデータから学習用データを生成するプログラムを作成した.また,深層学習を行うためのコンピュータ環境を整備し,CNN(畳み込みニューラルネットワーク)による深層学習を試行した.深層学習に用いたデータやパラメータと結果との関係を考察した. (2)PHP(Hypertext Preprocessor)を用いて,ボーリング交換用データ(XML形式)から任意断面の近傍にあるボーリング柱状図と対比結果を描画するためのWebシステムのプロトタイプを開発した. (3)地質構造の論理モデルを用いて,対比結果に対する地質学的矛盾の有無を判断する方法を検討した. (4)共同研究者間でこれらの成果を共有し,成果や課題等の整理と次年度の研究計画を検討した. 研究成果の一部を学会で発表した.今年度の成果により,深層学習用のデータ作成から対比結果の可視化までの一連の流れを実現できる環境が整った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度計画していた(1)深層学習のひとつであるCNN(畳み込みニューラルネットワーク)等を試みる(2)深層学習の対比結果とボーリング柱状図を可視化するためのシステムを試作する(3)地質構造の論理モデルを用いて,対比結果に対する地質学的矛盾の有無を判断する方法を検討する,をすべて遂行したことから,全体としておおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に進展していることから,今後の研究計画に変更はない.深層学習を用いた地質の分類方法および対比支援システムを開発するために,以下の研究を推進する. (1)点群データの分類に有効なPointNet等のCNN以外の深層学習の方法を検討し,地層の対比を試みる. (2)本年度に開発したボーリング柱状図と対比結果を描画するためのプロトタイプを改良し,対比結果の追加・削除・修正機能を開発する. (3)前年度に検討した矛盾の有無を判別する方法を具体化し,アルゴリズムおよびプログラムを試作する. (4)年度末に,これまでの研究成果と問題点を整理し,次年度の研究計画を検討する.
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