研究課題/領域番号 |
21K11914
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
伊東 拓 日本大学, 生産工学部, 教授 (80433853)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ボリュームデータ / アイソパラメトリック要素 / スカラー場 / 物体再構成 / 発泡金属 / 陰関数 |
研究実績の概要 |
今年度は発泡金属モデリングの際に,内部的にスカラー場を構成する場合があるため,同モデリングについて検討を行った.発泡金属の形態の中でも,特に,気孔(セル)を内部に大量に含むclosed-cellと呼ばれる形態について考える.Closed-cellのモデリング法としてSononらの方法(以下,Sonon法)が知られており,同方法ではclosed-cellを関数として表し,最終的なモデルは関数のある値の等値面として抽出される.Sonon法では,セルの間の壁はほぼ一定になるが,実際の応用では一定方向の強度を高めたい等の要望もあり,壁をある方向のみ厚くする方法について模索した.具体的には,Sonon法においてclosed-cellの壁を抽出する際に設定するパラメータが従来1種類であったが,最終的なモデルを表す関数を修正し,壁の厚みが指定した方向である場合,壁にほぼ直交するベクトルと指定方向のベクトルの内積の演算結果を利用し,適応的に抽出する値が変化するようにした.ただし,本方法で使用した関数は値が急激に変化することがあり,この関数をそのまま使用してモデルを抽出すると,一部に歪みが生じてしまう場合がある.この歪み補正をするために,使用した関数から粗くボリュームデータを獲得し,スカラー場を再構築する方法を適用し,ある程度歪みを軽減させられることを確認した.なお,スカラー場を再構築する際の方法としてはB-Spline関数やアイソパラメトリック要素等を用いることができる. 得られた研究成果は,国際会議や研究会に対面参加して発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は,内部的にボリュームデータを作成する場合があることから発泡金属モデリングについて検討を行ってきたが,今回用いた方法においては,モデルの歪み補正についてさらなる検討が必要であると考えているため.また,学内業務に昨年度と同等以上に時間を割く必要があり,論文の執筆時間を十分に確保できず,論文投稿ができなかったため. 以上より,やや遅れていると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに,ボリュームデータから直接スカラー場を生成する方法として,線形及び2次のアイソパラメトリック要素を適用してきた.これらの方法については,国際会議・研究会で途中段階の発表をしてきているものの,雑誌論文として投稿できていない.そのため,令和6年度は,改めて様々なパラメータでいくつかのデータに対して数値実験を行って結果をまとめ,雑誌論文として投稿することを目指す.また,アイソパラメトリック要素を用いた方法は,並列粒度も高いと考えられるため,高性能計算サーバーを購入し,同サーバーを用いた高速化アルゴリズムについても検討しようと思っている.加えて,今年度取り組んだ発泡金属モデリングについても,モデル補正の方法等,引き続き検討することを考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 令和5年度は対面開催の国際会議や研究会等に幾つか出席することができたものの,国外開催の会議に参加するほどの余裕がなく,参加したのは全て国内開催のもので,参加予定であった国際会議への参加を取りやめたため.同様に,論文執筆の時間も十分に取れず,論文投稿に至らなかったことから,論文別刷代や英文校正代等の経費が発生しなかったため.
(使用計画) 令和6年度は,できるだけ多くの国内・国外の会議に出席することを考えており,参加する際の旅費・登録料として使用するつもりである.また,提案法の並列アルゴリズムについて検討するために,高性能数値計算サーバー購入も予定している.加えて,論文投稿することを計画しているため,英文校正・論文別刷代としても使用することも考えている.
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