研究課題/領域番号 |
21K11916
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
宮地 英生 東京都市大学, メディア情報学部, 教授 (00501727)
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研究分担者 |
樫山 和男 中央大学, 理工学部, 教授 (10194721)
川原 慎太郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(情報エンジニアリングプログラム), 副主任研究員 (60415982)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 可視化 / 大規模可視化 / Unity / システム開発 / フリーソフトウエア / フレームワーク |
研究実績の概要 |
従来の可視化処理は、数値シミュレーションのデータをポリゴン化した後にレンダリングを実施して画像を生成していた。しかし、流体シミュレーションの規模は1億格子を超えるものが珍しくなくなってきた。ディスプレイの解像度は100万程度であるため、従来の処理手順では、レンダリングの最終処理(Zバッファ処理)で大部分の情報が捨てられる。我々が提案する可視化マッピング手法は、その処理順序を変更することで無駄な可視化計算を減らす。まず、この手法を等値面に実装するための具体的な処理手順を設計して、フレームワーク外で有効に動作することを確認した。その実装方法を元に、Unity上での実装方法を検討し、プロトタイプ開発を発注した。同システムは2021年末に納品され、それを用いて気象データを用いた検証可視化を行った。その事例と設計思想は12月の数値流体シンポジウムで口頭発表した。本フレームワークのバージョン2では、可視化の対象領域を科学の分野だけでなく、売上、通信量などを含む情報分野へ広げるために情報可視化用のフレームワークの追加のための新しいデータ構造、ワークフローを検討した。その具体的な実装例として平安京ビューのUnityプレハブで実装した。その成果は可視化情報シンポジウムで口頭発表した。災害シミュレーションの可視化では、非構造格子に対応するためにデータ構造の設計が完了した。本フレームワークの普及のためにビジュアリゼーションワークショップでチュートリアルを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に予定していた、研究メンバー3名の各分担については、ほぼ、計画通り進んでいる。但し、非構造データへの拡張は実装完了の予定であったが、設計完了にとどまっている。これは当初に予定していた発注金額が足らなかったためで、新年度に速やかに発注する予定である。これは災害分野のデータの可視化事例の作成に対しては、多少の影響があるものの全体への影響はない。1年目の計画の3項目については、それぞれ、次の通りである。(1) 有効な可視化手法として等値面の大規模対応システムを実装し、妥当な動作であることが確認できた。[予定通り](2) 可視化フレームワーク(V2)として情報可視化用のフレームワークを考え、平安京ビューのプレハブを開発した。[情報可視化を実装できたことは、予定外の進捗](3) 非構造化データの可視化の開発は、設計が完了した。今年度予算で実装業務を発注予定である。[開発完了の予定が3か月程度遅れている]
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、まず、速やかに非構造データの可視化プログラムの実装を発注し、バージョン2で設計・開発した情報可視化の仕組みと併せたバージョン3のフレームワークを開発する。この上に樫山が開発しているVR/AR機能をV3に対応させ、災害分野のデータを可視化して、その有効性を検証する。並行して本フレームワークのユーザを増やしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
未使用金の147,000円は主にJAMSTECで簡易VR装置の購入でしたが、ちょうど装置のバージョンアップのタイミングにあり、無理に旧式を購入する必要は無いとのことで、購入を見送りました。次年度にリリース予定の新しい型式の購入を予定しています。
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