| 研究課題/領域番号 |
21K11921
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| 研究機関 | 九州工業大学 |
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研究代表者 |
二保 知也 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (60295011)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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| キーワード | 抵抗スポット溶接 / シームレス3次元3連成有限要素解析 / トリプルスケール / 接合強度 / 全体の強度 |
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| 研究実績の概要 |
ミクロスケール3連成解析については，これまでに開発した接触電気抵抗解析のためのミクロスケール接触変形・電流・熱連成有限要素解析コードによる解析結果と単純形状かつ実験則を含まない理論解との比較を行うことにより解析コードの妥当性を検証した．しかし，抵抗スポット溶接解析で多く用いられている実験則を含む理論解とは差異が見られるため，本解析方法，理論モデル，実験則を含む理論モデルの差異や妥当性について検討した．
メソスケール3連成解析については，これまでに抵抗スポット溶接解析用に開発した有限要素法に基づく軸対称の電流解析コードと軸対称の熱伝導解析コードのいずれも3次元解析コードに拡張し，さらに，これらの解析コードを組み合わせた3次元電流・熱伝導連成有限要素解析コードを開発した．また，この解析コードから得られる温度分布・変化を接触変形解析が考慮できるように汎用解析コード MSC. Marc を拡張子した．
さらに，抵抗スポット溶接の3次元電流・熱伝導連成有限要素解析から得られる溶接時の温度分布・変化を考慮した接触変形解析を行い，板幅が狭い，もしくは，鋼鈑端の溶接時には接触域および接触圧が3次元的になること，さらに，この接触域および接触圧力は電流経路，熱伝導経路，接触電気抵抗，接触熱抵抗に影響をあたえるため接合強度にも影響をあたえる可能性があることを示した．
また，抵抗スポット溶接の3次元電流・熱伝導連成有限要素解析を行い，いずれも板幅が狭いときに3次元的な電流分布，温度分布になることを確認したが，とくに電流分布では顕著であること，さらに，電流分布はジュール発熱分布に影響をあたえ，また，温度分布は溶融・凝固域の大きさや形状に影響をあたえるため接合強度にも影響をあたえる可能性があることを示した．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ミクロスケール3連成解析については，実験則を含む理論解との差異について検討を進めているが，差異の原因や影響が明らかにならず，また，このため解析コードの改良が遅れている．
メソスケール3連成解析については，電流・熱伝導連成有限要素解析コードの3次元化とこの解析コードから得られる温度分布・変化を考慮した接触変形解析を行うことができるようになったが，さらに，接触変形解析から得られる接触域および接触圧力を電流・熱伝導連成有限要素解析コードが考慮できるように拡張する必要があり，これが実現すると，抵抗スポット溶接の3次元接触変形・電流．熱伝導3連成有限要素解析を行うことができる．
以上のように，ミクロスケール接触電気抵抗解析の妥当性検討およびメソスケール抵抗スポット溶接解析の3次元化および2スケール化が遅れているため進捗状況を「(3) やや遅れている」とした．
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| 今後の研究の推進方策 |
ミクロスケール3連成解析については，実験則を含む理論解との差異については保留として，現状の解析方法とメソスケール3連成解析を組み合わせたミクロスケールとメソスケールの2スケール3連成解析方法の検討および解析コードの開発を行う．
また，メソスケール3連成解析については，接触変形解析から得られる接触域および接触圧力を電流・熱伝導連成有限要素解析コードが考慮できるように拡張して，メソスケール3次元3連成解析コードを完成させる．
さらに，3スケール3次元3連成抵抗スポット溶接解析のために，溶接対象全体のマクロスケール3次元3連成解析とメソスケール3次元3連成解析のスケール間連成の考慮方法についての検討を行う．
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