研究課題/領域番号 |
21K11929
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
伊藤 祥司 大阪電気通信大学, 工学部, 特任准教授 (70333482)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 前処理系 / クリロフ部分空間法 / 双ランチョス |
研究実績の概要 |
大規模線形方程式の求解で頻繁に用いられる双ランチョス型解法はBiCG(BiConjugate Gradient,双共役勾配)法から派生し,その後,局所的な残差ノルム最小化の演算を伴うBiCGStab(BiConjugate Gradient STABilized;安定化双共役勾配)法やGPBiCG(Generalized Product BiConjugate Gradient;積型双共役勾配)法などが開発されている.一方で,非対称系のBiCG法導出のもとである対称系向きのCG(Conjugate Gradient;共役勾配)法とは異なるCR(Conjugate Residual;共役残差)法から導出されたBiCR(BiConjugate Residual;双共役残差)法があり,これも双ランチョス型解法である.これら双ランチョス型解法では双対系(シャドウ)における初期シャドウ残差ベクトル(ISRVと略)を伴う. 本研究では双ランチョス型解法の前処理系におけるISRVの構成と設定に関する研究を実施している.初年度の研究では,ISRVの構成と設定の異なる従来版の前処理アルゴリズム,左前処理系と呼ばれるアルゴリズム,そして研究実施者がこれまでに提案した改善版アルゴリズムで比較したところ,改善版が良好な結果を示し数値解の誤差が少なく高精度で安定な求解状況であることが確認された.さらに,誤差を評価する厳密解に乱数を代入した結果でも同様に改善版が良好であることが確認された.この成果を国際誌で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により所属大学での担当授業の実施内容と実施方法の変更に伴い,当研究課題に対するエフォートを下げざるを得なかったため,研究スケジュールを後ろにずらしながら進めている.
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今後の研究の推進方策 |
先行研究の結果に対する考察,本研究の提案手法と従来手法との比較分析および数値実験を実施する.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)コロナ禍により所属大学での担当授業の実施内容と実施方法の変更に伴い,当研究課題に対するエフォートを下げざるを得なかったため. (利用計画)今後の研究環境整備,研究調査と成果発表に関する経費として使用する.
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