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2022 年度 実施状況報告書

養蜂支援を目的とした画像処理技術開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K11931
研究機関宇都宮大学

研究代表者

長谷川 まどか  宇都宮大学, 工学部, 教授 (80322014)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード画像解析 / ミツバチ / 巣 / 機械学習 / 画像処理 / ヘギイタダニ
研究実績の概要

本研究では,養蜂用セイヨウミツバチの生育管理での利用を目的とし,巣脾や巣箱内部を撮影した画像から画像処理や機械学習等により巣房の状態やダニの寄生状況を自動計測する手法とその関連技術の研究開発を行っている.
本年は,(1)ミツバチの背に寄生したヘギイタダニ,および,ミツバチ個体の自動計数法の検討,(2)Single Shot Multi Box Detector(SSD)を用いた育房状態の自動分類法の実用化に向けた検討,(3)巣板上の有蓋蜂児域計測法の検討,ならびに,(4)蜂と蜂巣の画像撮影とアノテーションデータの集積を進めた.
ヘギイタダニ計数法の検討では,色情報をもとにミツバチの背に寄生したヘギイタダニを検出する方法を検討した.その結果,色情報のみでは,ヘギイタダニの色に類似した領域の誤検出が多いことが分かった.この結果を踏まえ,まずSSDでミツバチを検出し,検出された個体上のみを検査する手法の検討を進めた.特に,SSDモデルをミツバチの個体計数用に学習するには,ハチの腹部にアノテーションすることが有効であり,ハチの密集度の高い画像においても良好に個体を検出できることが明らかになった.
育房状態の自動分類の検討では,画像をブロック分割後にSSDを施して得られた出力を接合する手法を開発し,実用化に一歩近づけることができた.
また,巣板上の有蓋蜂児域計測法の検討では,画素単位でのクラス分類を行うセマンティックセグメンテーションのモデルである PSPNetを用いて,蜂巣画像を有蓋蜂児領域とそれ以外の領域の2クラスに分類する手法の検討を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

画像のアノテーションがやや遅れているが,おおむね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

本年は,(1)養蜂用巣脾を撮影した画像から育房状態を自動分類する方法の改良,ならびに,(2)ヘギイタダニやミツバチを自動検出し計数する手法の改良を進める.
(1)では,SSDを用いて育房検出と分類を同時に行う手法の性能を改善するため,育房内をより明瞭に撮影する方法を検討するとともに,画素単位でのセマンティックセグメンテーションで分類を行う手法との性能比較を行い,各手法の長所短所を明らかにする.
(2)のヘギイタダニおよびミツバチの計数では,SSDを用いたミツバチの個体検出法を発展させ,検出したハチ個体領域内のみを対象にダニの有無を検出する手法を検討する.
また,本年も継続して実験用画像の撮影とアノテーションデータの集積を進める.実験用画像は,巣脾画像,巣板上の蜂群の画像,ヘギイタダニが背に付着した蜂群の画像,ヘギイタダニが足側に付着した蜂群の画像の4種を収集する.巣脾画像は有蓋蜂児域面積の自動計測に使用する.巣板上の蜂群の画像は成虫の個体数計測の検討に使用し,蜂群の強度の評価に役立てる.ヘギイタダニが背側または腹側に付着した蜂群の画像は,ダニの自動検出と計測に使用し,駆除剤の投与判断に役立てることを目指す.

次年度使用額が生じた理由

消耗品が若干安く購入できたため,わずかに残額が発生した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 画像処理を用いたミツバチへギイタダニの計数Android アプリの実装と評価2023

    • 著者名/発表者名
      髙山翼, 長谷川まどか
    • 雑誌名

      画像電子学会誌

      巻: 52 ページ: 319-328

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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