研究課題/領域番号 |
21K11934
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
岩橋 政宏 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (30251854)
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研究分担者 |
原川 良介 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (20787022)
峯脇 さやか 弓削商船高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (20435473)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 信号処理 / 画像処理 / デノイジング / ビッグデータ / 自動診断システム |
研究実績の概要 |
2021年度は,「研究の目的」および「研究実施計画」に示した【項目1:事前知識なしでノイズバイアスを補正する理論を確立する】・【項目2:ノイズの発生モデルをインターネット上のビッグデータから推定可能とする】・【項目3:河川防災や道路メンテナンス等を目的とする自動診断システム上に提案手法を実装する】を実施した.項目1については,ノイズが重畳した画像に対して明るさ補正(トーンマッピング)を施すことで生じるノイズバイアスの補正理論を構築した.より具体的には,原画像の画素値とノイズが重畳した観測画像の画素値の共起確率を推定可能とすることで,事前知識を用いないノイズバイアス補正を実現した.項目2については,深層学習に基づく画像分類(画像の意味を表すラベルを推定する問題)の研究成果を得た.インターネット上の画像は,投稿者やクラウドソーシングによるアノテーション等でラベルが付与されるが,誤ったラベル(ノイジーラベル)が付与される場合がある.本研究では,ノイジーラベルの補正という,近年注目されている新しいデノイジングの問題に取り組んだ.研究代表者らは,深層学習による分類結果の確信度を算出し,ノイジーラベルが付与された画像を推定可能とし,CIFAR-10データセットに対して提案法の有効性を示した.項目3については,研究代表者らのデノイジング・画像分類アルゴリズムをNVIDIA Jetsonというエッジデバイスに実装した.この成果は,河川防災や道路メンテナンス等のためのエッジAIの実現に応用できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画の通り,項目1の理論構築に成功した.さらに,項目2は2022~2023年度,項目3は2023年度に実施予定の内容であるが,2021年度中に一部の内容を先行して実施した.得られた成果をまとめて,査読付き国際会議(2件; 内1件はIEEE SMCソサイエティのフラグシップ会議)と国内学会(3件)において,発表を行った.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度以降も,当初の研究計画の通り,理論構築と有効性検証を行い,成果発表に繋げていく予定である.項目1については,2021年度に構築した理論とその有効性をまとめて,学術論文誌や国際会議等で発表することを目指す.2021年度に先行して一部の成果が得られた項目2・3についても,適用対象のモデル化や実データに対する検証等を予定している.
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