研究課題/領域番号 |
21K11937
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研究機関 | 秋田県産業技術センター |
研究代表者 |
綾田 アデルジャン 秋田県産業技術センター, 電子光応用開発部, 主任研究員 (10726938)
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研究分担者 |
萩原 義裕 岩手大学, 理工学部, 教授 (80293009)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スマート水産業 / モニタリングシステム / 深層学習 / パターン認識 / 知覚情報処理 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、海底画像から磯根資源の認識を行い、認識結果と、その画像が撮影された漁場の位置情報やほかの環境情などを活用することで、磯根資源のモニタリングに必要なデータ収集および管理機能を持つシステムを開発することである。 当該年度では海底画像を撮影するための水中ドローンを選定し、ドローンに搭載されたカメラのほか、本体に簡単に取り付けが可能で、広範囲に撮影できるカメラからも調査データを記録できる撮影システムを構築し、海底調査に適した撮影方法を確立した。しかし、水中ドローンの操縦は難しく、操作できるようになるまでに訓練が必要であることがわかった。水中ドローンに搭載されたカメラの撮影画像をスマホなどの端末で確認し操縦する場合、画像の表示に少し遅延が生じるため、その遅延を定量的に把握できる方法が必要でした。これは、5Gを用いた遠隔操作の場合も重要であるため、画像の伝送遅延を簡易に測定できる方法を提案した。 目標とするデータ収集システムの一部である魚介類のデータ収集に関しては、海底画像からのデータ収集に加え、漁獲した資源の情報を記録できるようなシステムの開発として、アワビを対象に、A Iカメラを用いた認識手法を提案した。この提案で使用したAIカメラのステレオ画像による深度情報も取得できるため、サイズ測定にも利用可能である。 上記のほか、オープンソースをベースにした時系列データベースを活用し、収集したデータを時系列に管理できるようなプロトタイプのシステムを開発している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来、水中ドローンを使用しながら磯根資源のデータを収集する予定でしていたが、新型コロナウィルスの影響で、予定していたデータ収集の計画が中止となり、実際に水中ドローンを用いたデータ収集ができなかった。しかし、これまでの研究で集めた海底画像から藻場が映っている画像を集めて、藻場のデータセットを作成し、当該年度予定していた藻場認識の研究に使用した。 そのほかの部分に関しては予定通りに進んでおり、研究成果も学会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年度で得られた成果をもとに、開発したシステムの性能について分析と評価をしながら確立した各手法について改良を実施する。また、確立した撮影方法を用いて連携先の水産機関の方とデータ収集を行い、学習データセットを拡充していく。魚介類に関しては、拡充データをもとに、汎化性を確認しながら認識モデルの精度向上につながる改良を施していく。藻場認識に関しては、当該年度選定した手法を用いて認識モデルを構築し、改善しながら認識手法を確立する。これらに加え、収集した資源データを可視化する方法の検討と開発中のプロトタイプのシステムの改良もしていく。次年度も同じく、得られた研究成果を適時に国内または国際学会で発表していく。
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