学術的意義としては,第一に,リモート合唱における時間ずれが,システム由来の時間ずれと,歌唱者由来の時間にずれに分解して解析できることを示し,さらに,歌唱者由来のずれは,混合ガウス型分布でモデル化できることを示したことである.第二に,周波数方向に個別の高調波成分を移動させる技術を開発したことである.第三に,時間周波数平面の局所領域でのエントロピーを指標にすることで歌唱者間の混合の調和を評価することが可能であることを示したことである.社会的意義としては,リモート合唱を支える技術を今のうちに進歩させておくことで,この次に来るかもしれないパンデミックに備えることができるという点をあげることができる.
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