研究課題/領域番号 |
21K11958
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
今村 幸祐 金沢大学, 電子情報通信学系, 准教授 (00324096)
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研究分担者 |
小林 聡 金沢大学, 保健学系, 教授 (30313638)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肝線維化ステージ判定 / 診断補助 / 医用画像処理 / 深層学習 |
研究実績の概要 |
2021年度の検討事項は大きくMRIに基づく肝線維化ステージ判定システムの構築と診断補助に向けた画像表示に関する検討を行った。 本年度の検討により,具体的には撮影されたMRIからの肝線維化ステージ判定システムのための畳み込みニューラルネットワークを用いたネットワークの基本構造を構築した。検討により,MRI全体画像を一括して入力とするより,局所的なパッチ画像に分割したものを入力とする方が精度の高い判定が可能となる知見が得られた。また,ネットワーク構造も複数の畳み込みニューラルネットワークを並列に配置し,パッチ単位の判定結果を別のネットワークで最終的なステージ判定結果を得るような構造を採用することで,従来よりも良好な性能が得られることが明らかになった。これにより,目的とするステージ判定システムの基本構築が確立できた。 また,診断補助に向けた画像表示として,RISEによる判断根拠可視化で肝線維化ステージ判定の際の注目すべき領域を表示する検討を行った。RISEはブラックボックスアプローチよる可視化手法あり,多数のランダムマスクパターンを適用するような手法であるため,実際の診断補助に用いるためには処理時間の短縮が課題となる。検討により,RISEによる注目領域算出の際に用いるマスクパターンを,通過頻度を領域ごとに一定にしたマスクと特定の単一領域に限定したマスクの併用とした手法により,適用マスク数を削減し,高速化および精度向上を実現した。この結果については学会発表も行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度の検討事項であるMRIに基づく肝線維化ステージ判定システムの構築についての主題は精度の高い判定である。従来は単純な単一畳み込みニューラルネットワークによる判定を行っていたが,新たにパッチ画像として畳み込みニューラルネットワークで判定を行い,さらに別のネットワークで被診断者単位の判定を行うことで,精度の向上が可能であることが判明した。また,2つの畳み込みニューラルネットワーク並列にしたネットワーク構造とすることで,高い精度の判別が可能となることが判明した。このようにシステム構築と精度の向上の点で進展しており,順調に進展していると判断する。また,診断補助に向けた画像表示についても,RISEの処理速度の向上が可能となったことで,診断の際の注目領域が迅速に行えるようになっており,実用化の向上が見込まれる。こちらも順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は,構築したMRIに基づく肝線維化ステージ判定システムの精度向上について検討する。一つは圧縮特徴を利用した精度の高い特徴入力の検討を行う。圧縮特徴とは自己符号化器で得られた圧縮表現の中から,解析により診断に有用な情報のみを選別し,システムに組み込むことを考えるMRIは撮影条件により,ノイズが多く含まれるため,精度の向上ためには必要な処理であると考えらえる。もう一つは判別領域の自動抽出と画像補正である。診断精度向上のためには,適切な画像領域で評価を行う必要がある。これを機械学習に基づくアプローチで実現することを検討する。また,これまで構築したシステムや診断補助についても引き続き検討・改善を進め,成果を学会等で発表することも併せて行っていく。
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