研究課題/領域番号 |
21K11982
|
研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
石尾 広武 福山市立大学, 都市経営学部, 教授 (40271035)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 焦点距離 / 輻輳距離 |
研究実績の概要 |
本研究では、制作した立体映像を超高精細ディスプレイを使って被験者に提示して、立体視機能に重要な役割を果たす水晶体調節力や輻輳力を測定することによって、奥行き知覚の変動を研究期間内に明らかにすることが目的である。 研究実施計画では、研究の前半に相当する2021年度と2022年度は、実験のための準備期間として位置付けられている。2021年度は、研究の第一段階として、先ず始めに超高精細立体映像の制作および提示のための環境整備を行ったが、それに続く2022年度は、研究の第二段階として、水晶体調節力と輻輳力を測定するための環境整備を行った。超高精細ディスプレイに表示された立体映像を注視する被験者の水晶体調節力と輻輳力を測定するため、前者は前面開放型オートレフを、後者は両眼視線計測装置を導入した。前面開放型オートレフを用いることにより、水晶体調節量から逆数の関係にある焦点(調節)距離(ピントが合う眼前距離)を計算することができるようになった。また両眼視線計測装置を用いることにより、左右眼の視線から注視点の三次元位置を推定することで輻輳距離(寄り目の視線が交わる眼前距離)を計算することができるようになった。これらの機器を導入することにより、焦点距離や輻輳距離の時間変化を測定して、仮想の注視対象物体の動きと比較することができるようになった。その結果、水晶体調節力や輻輳力の強弱を定量的に判断できるようになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に記載した研究実施スケジュールの中で、2022年度(2年目)に計画していた、研究の第二段階として、水晶体調節力と輻輳力を測定するための環境を整備することができたから。更に、2023年度(3年目)以降に計画している、研究の第三段階として、被験者を用いた実験について、福山市立大学の研究倫理審査委員会の承認を得ることができたから。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画調書に記載した研究実施スケジュールに従って、2023年度(3年目)以降に計画されている研究の内容を着実に遂行していく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大により、人流が長期間にわたり広く制限された結果、調査・情報収集のための交通費・日当・謝金などの執行が出来なかったため、次年度使用額が生じた。これは、翌年度分として請求した助成金と合わせて、今年度にできなかった調査・情報収集のための交通費・日当・謝金などに使用する計画である。
|