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2023 年度 実施状況報告書

繊維状の導電性高分子を用いた生体情報モニタリング用スマートウェアの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K12003
研究機関鈴鹿医療科学大学

研究代表者

中村 太郎  鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 准教授 (70373082)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードウェアラブル / 生体計測 / スマートテキスタイル / IPMC / ヘルスケア / 生体電気信号
研究実績の概要

本研究は、柔軟な繊維状のセンサと衣類を一体化させ、着衣のみで人の動きと生体電気信号をモニタリング可能なスマートウェアを開発することを目指している。2023年度は、スマートウェアに組み込むIPMCのサイズをさらに小型化し、これを衣類の網目に通して擬似的に編み込むことで、衣類との一体化を実現した。
具体的には、幅を1 mm以下にしたIPMCを衣類の網目に通し、IPMCが衣類に編み込まれた状態のスマートウェアを作製し、生体情報モニタリング機能の評価を行った。なお、IPMCはヒトの関節部分に編み込み、関節運動と心電図と筋電図をモニタリングできるようにした。
今回作製したスマートウェアは、従来のものと比較して、運動時における関節の動きへの追従性が高くなり、また、着用時の違和感が減少し、着心地を向上させることができた。その一方で、従来のスマートウェアと比較して、IPMCと皮膚が接触している面積が減少したため、有効な電極面積が得られず、生体電気信号の振幅が減少し、外部の雑音の影響を受けやすくなる傾向があった。また、関節運動による信号も従来のスマートウェアとは異なる波形が出力され、関節の動きに対する追従性が良くなる一方で、着用者の個人差の影響が大きく現れるようになった。
2023年度に作製したスマートウェアのモニタリング精度向上のために、IPMCの形状と配置の検討を行う予定である。IPMCの形状と配置の検討が必要となったが、衣類とセンサを一体化させたスマートウェアを作製することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度に作製したスマートウェアは、着心地を改善し、関節の動きに対する追従性を向上させることができたが、生体電気信号の振幅が小さくなったことや雑音が多くなったこと、また、関節形状の個人差が大きく現れてしまうという新たな問題が発生した。しかし、この問題を解決するためのIPMCの形状と配置方法の工夫が必要となったため。

今後の研究の推進方策

今後も引き続きスマートウェアの改良を行う予定である。スマートウェアへ編み込むIPMCの形状と配置方法を変更し、生体電気信号のモニタリング性能の向上および関節運動計測の精度向上を目指すとともに、スマートウェアから得られた信号から着用者の生体情報(心電図や筋電図)と姿勢を表示するアプリケーションの開発を目指す。

次年度使用額が生じた理由

衣類との一体化を目指して作製したスマートウェアは、再度、IPMCの形状と配置を工夫する必要があったため、生体情報モニタリング用アプリケーションの開発を行うことができなかった。2024年度はアプリケーションの開発環境を整え、アプリケーションの開発に着手する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] IPMCアクチュエータによる微小応力発生と医療応用2023

    • 著者名/発表者名
      伊原正、中村太郎、安積欣志
    • 学会等名
      第24回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会
  • [学会発表] IPMCの生体センサ・アクチュエータ応用2023

    • 著者名/発表者名
      伊原正、中村太郎
    • 学会等名
      日本機械学会【ソフトマテリアルを用いたアクチュエータ・センサの基礎と応用】

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公開日: 2024-12-25  

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