研究実績の概要 |
R5年度は,R4年度に引き続きTwitter上のデータを用いて駄洒落が出現する前後の文脈情報の収集を行なった.収集の対象とした駄洒落をさらに増加させた.さらに追加で収集した駄洒落に対してクラウドソーシングを用いて面白さの評価を行った.R5年度は最終年度であるのでこれまでに開発し公開している67,000件の駄洒落データベースに登録されている駄洒落を用いてより大規模に文脈の収集を行なった.Twitter上の駄洒落を収集し,面白さを評価した結果については,R5年8月に発行された知能と情報(日本知能情報ファジィ学会誌)Vol.35, No.3において論文として報告を行なった. また,研究分担者の内田は,昨年度に引き続き文脈中に含まれるオノマトペが面白さにどのように影響しているのかの考察を行なった.この結果はR5年9月に開催された第39回ファジィシステムシンポジウムにおいて研究発表を行なった. また,研究分担者の佐山は,昨年度に引き続き認知科学的視点から面白さの要因の分析を行なった.この結果については第74回ことば工学研究会(人工知能学会第2種研究会)において研究発表を行なった. また,研究分担者である谷津(令和5年8月死亡により削除)は昨年度に引き続き画像内容に即した語を抽出し,画像の描画内容に即した駄洒落文を選択するためのランキング手法の提案を行い,ユーモア性, 理解容易性を考慮した直喩生成には「意外性」「具体性」 が必要という可能性があることを明らかにした.また,ユーモアへの理解を説明可能な動作で示すことのできる対話システムの実現のため,駄洒落の認識,駄洒落応答及びこれらを文脈制御に基づいて使用する駄洒落雑談対話システムの構築を行った.さらに,重畳型駄洒落検出の成功事例, 及び失敗事例における主な失敗要因について分析を行った.
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