研究課題/領域番号 |
21K12013
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
関 宏理 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (10583693)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ファジィ推論 / 深層ファジィ推論 / モジュラーファジイモデル |
研究実績の概要 |
一般的に、ファジィ推論は多入力1出力でのIf-Thenファジィルールで構成されており、人間の直観的に理解しやすい構造となっている。しかしながら、入力数が膨大になると、If-Thenルールで表現されていたとしても、必ずしも人間が理解しやすいとは限らない。このことから本年度は少数入力のルール群を用いた深層モジュラーファジィモデルの提案を行い、少数入力ファジィルールを構築することにより、人間の理解しやすいファジィ推論モデルを提案した。また多層構造を構築することにより、少数入力でありながらも精度の高いファジィ推論モデルを構築することができた。 従来の深層ファジィ推論モデルではランダムに入力を採用してルール数削減に成功したものの、ランダムな入力採用により精度のばらつきが発生する問題が存在した。提案モデルでは少数入力の組み合わせの総当たりとなるため、ばらつきが発生しにくく、高い精度を保てることを示した。しかしながら、入力が増えれば増えるほど指数的にファジィルール数が増加するため、4入力以上のルール群で構成すると従来モデルと大差ない、あるいは多いルール数となってしまう問題が存在する。このことから、ファジィルール数の妥当な削減方法や少数入力の組み合わせの選び方などを考慮する必要がある。学習により得られた各ルール群に設定されている重視度を基に、重要な入力の組み合わせ、それほど重要ではない入力の組み合わせなどを導き、重要でないルール群は削除するなどしてルール数を減らすことなどが考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究自体は順調に進んでいるものの、新型コロナウィルスの影響で学会投稿、特に国際会議への投稿を控えたことから発表が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は昨年度行った研究をまとめて国内会議・国際会議や学術論文へ投稿することを考える。研究自体は順調に進んでいるため、研究計画通り遂行したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたデスクトップPCは在庫不足のため、本年度はノートPCのみを購入した。また、参加を予定していた学会が新型コロナウィルスの影響のためオンライン開催、あるいは中止となったことにより、本年度はほとんど旅費と参加費の費用が発生しなかった。 次年度は予定していたデスクトップPCを購入する。また、研究自体は予定通り進んでいることから、次年度に前年度行った研究を含め、予定していたよりも多くの学会で発表することを計画し、旅費と参加費として本科研費を使用する。
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