研究課題/領域番号 |
21K12016
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
水野 一徳 拓殖大学, 工学部, 教授 (20439524)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 制約充足問題 / メタヒューリスティクス / 群知能 / 進化計算 / 相転移 |
研究実績の概要 |
本年度実施した研究実績としては,本研究課題の対象問題である制約充足問題を効率よく解決することができる解決アルゴリズムの開発と実験的評価を行なった. 具体的には,群知能とよばれる協調型問題解決アルゴリズムの1つであるアリコロニー最適化(ACO)に対する改良を行なった.これは,従来のACOでは,問題解決の際に利用する情報(フェロモン)を蓄積する方法が単一であるため,解くべき問題や問題解決の状況によっては非効率となってしまうという点に注目して,複数の蓄積方法を併用して問題解決を進める方法である.また,問題解決の途中で,それぞれの蓄積方法に対する評価値を求め,その評価値に応じて問題解決に適した蓄積方法への集中化を動的に調整する仕組みを導入した.開発したアルゴリズムを,制約充足問題の代表的な例題の1つであるグラフ彩色問題に適用する計算機シミュレーション実験を行なった.実験では,本研究課題での解決対象問題の1つである大規模,かつ相転移領域に属する解決困難な具体的問題(インスタンス)を用いたシミュレーションを行ない,開発したアルゴリズムの有効性を検証した. 上述の成果は,国内の学会および国際会議等で成果発表を行ない,なかでも人工知能の諸技術に関する国際会議(TAAI2021)では,この成果に対してMerit Paper Awardが受賞された. 今後,さらに詳細な評価実験やより効率化を目指す解決アルゴリズムの開発に取り組むための足がかりとなった. また,上述の研究のほか,制約充足のパターン処理応用に関する研究等についてもいくつかの方式の試作を行ない,概ね順調に進んでいる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績記載の通り,本研究課題の対象である「解決困難な制約充足問題に対して頑健な協調型問題解決」を達成するための足がかりとなる問題解決アルゴリズムの開発と,計算機シミュレーション実験の一部が行えており,想定していた結果がおおむね得られていることから,概ね順調に進んでいると考える.
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今後の研究の推進方策 |
本年度開発したアルゴリズムに対する問題解決の振る舞いや傾向を明らかにするための詳細な追加実験を実施し,さらなる改良点を見出すことを予定している.また,その振る舞いがいわゆる解決困難な具体的問題に対する頑健性についても,従来手法との比較などを通して明らかするためのシミュレーション実験も検討している. また,パターン処理応用などの方式についてもより詳細な検討や実装を検討していく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定の学会がオンライン開催となったため,出張旅費として考えていた予算の一部を,物品(ストレージ機器)として使用するなどで少額ではあるが残額がでた. この残額と合わせて,計算機等の物品,および(状況次第ではあるが)出張旅費として使用することを計画している.
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