研究課題/領域番号 |
21K12028
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
蟻坂 竜大 京都大学, 情報学研究科, 講師 (00774580)
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研究分担者 |
伊藤 孝行 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50333555)
川本 裕輔 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60760006)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 詭弁検証 / 議論検証 / 数理議論 / 議論進行サポート |
研究実績の概要 |
誤謬や詭弁の検出手法に関して、議論ではしばしば統計を用いることも多く、健全な議論では統計に関わる誤謬を避ける必要がある。そこで、統計における誤謬の有無について推論するためのプログラム論理(BHL)を構築した。この研究成果は論文誌Artificial Intelligenceで発表した。 前年度までに構築した誤謬・詭弁検出のための議論モデルでモデル化された対話や議論に、通常数理議論で考察される容認意味論(議論中のどの主張を受け入れるかを決定するための意味論)を適用することで、その対話や議論中に生じる論理に依る誤謬・詭弁を検知することができる。しかし、従来の数理議論の容認意味論の定義方法では、主張の容認性を柔軟に決定することが難しく、議論のオーガナイザなどが自身の想定する議論進行形式に沿って自由に容認性を指定することができない。この問題を緩和するため、容認性をtuple relational calculus(部分的な一階述語論理)を用いて行い、柔軟な定義を可能にした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に言及した遷移意味論の研究課題については、プログラム検証の理論に従って、統計における誤謬の有無について推論するためのプログラム論理(BHL)を構築したことで、成果がでている。論理に基づく誤謬・詭弁の検出に関わる論理的な手法の構築も行なった。さらに、誤謬・詭弁一般を扱う遷移意味論の構築も進んでおり、発表の用意を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
得られた研究成果を発表することを中心に行う。 ルクセンブルク大学との国際共同研究も開始した。(1)純粋に論理的な検証手法を言語モデルなどで置き換えて、詭弁検証にかかる計算量の問題を緩和する手法開発を進めている。(2)対話プロトコルに基づく形式対話理論の構築も進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
査読中の論文の雑誌掲載料を含む成果発表の費用に充てるため
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