研究課題/領域番号 |
21K12036
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
松田 源立 成蹊大学, 理工学部, 准教授 (40433700)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 機械学習 / 独立成分分析 / 信号処理 / 特徴抽出 / 深層学習 / 自然言語処理 |
研究実績の概要 |
本年度は独立成分分析の応用としてEEG信号の分析を行った。特に、これまでに筆者らが提案した並列計算を活用した独立成分分析手法の性能を、様々な実EEGデータを用いて検証した。その結果、非ガウス性がある程度以上大きいEEG信号の成分に対しては、非常に高い確率で一意な信号パターンが抽出可能であることを示した。この結果から、EEG信号の主要な成分については、提案手法で安定的な分析が可能であることを示した。 競馬の勝馬予測タスクを勝馬のオッズによって分割し、オッズによって予測に有効な機械学習手法に違いがあるかを検証した。その結果、低オッズと高オッズでは最適な機械学習手法が異なることを明らかにした。さらに様々な機械学習手法を組み合わせて回収率を高くすることに成功した。 複数の翻訳者によって翻訳された文書を対象として、文章間の対応関係を自動抽出する手法を構築した。翻訳文書では、文章間の順序の逆転や異なる文章分割が発生しているため、複数文をまとめて一文と比較可能な動的時間伸縮法および並んだペア文の合成による探索を活用した手法を提案した。その結果、翻訳文の順序情報を利用して信頼性の高い同義文を自動的に収集することが可能になった。 ウェブ上で提供されている大量のシラバスを効率的に発見するために、ページのURLや単語等に基づく様々なヒューリスティクスを提案した。 議論グラフを分析するためのコスト関数を利用した枠組みを構築し、その挙動について数理的、実験的な分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の根幹となる独立成分分析に関する研究を進め、EEG信号における分析結果の一意性の実験的検証に成功した。さらに機械学習全般として、応用データにおける有用な予測手法の構築や、自然言語処理における信頼性の高いデータの獲得に成功しており、本研究全体で目標としているネットワーク構造の自動抽出にも有用な知見が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
多層構造の独立成分分析手法の構築や、独立成分分析の応用について引き続き研究を進めていく予定である。特に独立成分分析の結果の一意性に着目した研究を進めていく予定である。さらに機械学習全般における特徴抽出や構造抽出について、自然言語処理等の応用事例を通して研究を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は国内学会および国際学会での研究発表を積極的に行う予定であったが、コロナ禍の状況を鑑み控えめにした結果、次年度使用額が生じる結果となった。次年度はより落ち着いた状況となると予測されるため、より積極的な研究発表活動のために次年度使用額も併せて活用する予定である。
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