研究課題/領域番号 |
21K12056
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
郡 宏 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (80435974)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 同期 / ネットワーク |
研究実績の概要 |
基礎的な動的過程を最適化するネットワーク構造を理解することは、様々な生命システムの理解や工学的応用の観点から不可欠である。本研究では振動子ネットワークにおけるいくつかの動的過程に着目し,特定の機能や動的性質を実現・最適化するネットワーク構造を明らかにする。応募者が強みを持つ振動子ネットワークを突破口とし、意義のある問題設定、汎用性の高い理論枠組みの構築、各種の数理的技術を活用した解析を行うことによってこれらの問いに深く切り込み、明らかにすることを目的としている。2021年度は振動子ネットワークの同期状態への緩和時間のネットワーク構造依存性について数値的に詳細に調べた。振動子をランダムネットワークと2次元格子に配置し、ランダムな初期条件を与え緩和過程を調べた。まず、ランダムネットワークについて次の結果を得た。平均次数が小さいほど、また、ノード数が大きいほど緩和は遅くなる。また、いわゆる過渡的カオスが起こり、緩和が劇的に伸びる現象が観察された。このような遅い緩和はネットワーク構造のループ構造に関係すると考え、ネットワークに方向性というパラメタを導入し、徐々にフィードフォワード的にしていった。すると予想に反し、方向が整うにつれて緩和時間が伸びた。フィードフォワードではカオス的挙動は消失し緩和が短くなるのであるが、少数のループ構造はダイナミクスをより複雑化することがわかった。2次元格子でも同様の結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画された研究項目を順調に実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
上記実施項目に関しては緩和を長くする要因をより細かく調べる。また、他の研究項目にも取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響により学会における研究成果の発表がオンラインとなったことや、遠方の研究者との研究議論をオンラインで行ったことが主な要因である。余った予算は研究補助者の雇用などによって研究加 速のために使用する予定である。
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