研究課題
リカレンスプロット上の列を無作為にとって他の列が演算表現できるかどうかを数値的に検討し、European Physical Journal-Special Topicsにて「A pseudo-basis using a recurrence plot」という題で誌上報告した。適切なリカレンスレートを決めるためにグラフ構造が連結になる条件に着目し、性質の異なる時系列に対して設定されたリカレンスレートが有効となる最小の時系列の長さを数値的に示し日本物理学会大会で「リカレンスプロットから作られるグラフが連結となるリカレンスレート」および「リカレンスプロットを用いた時系列のサロゲートデータ」という題で発表した。電子情報通信学会NLP研究会では基底の取り方を様々に変えた結果として「リカレンスプロットの一列を基底と見立てる情報表現」という報告を行った。第一回リカレンスプロット研究会で「リカレンスプロット事始」という題のチュートリアル講演を行った。Transformerモデルを用いた学術文献の言語情報と引用情報の融合について、時系列解析の観点から協力した。高次元空間でアトラクタが通過する小さな円盤を考えて時系列予測をする方法(Times Crossing at Local Cross Sections Improve Prediction Accuracy for Maxima of A Flow)に貢献した。京都大学数理解析研究所が主催する講演会に出席した。筑波大学の平田准教授が提唱するリカレンストライアングルへの貢献を行い、現在、本研究テーマとリンクさせて論文等を準備している。2023年度に国際会議を主催するための事前準備を行った。
2: おおむね順調に進展している
様々な未発表の試みの末、最適化の方法は固定し、基底の取り方を変えて挙動を調べた。演算量の評価も行った。その結果、FFTよりはリザーバーコンピューティングに近い考え方で研究を進めることが妥当であると明らかになった。研究の進展に伴い当所の計画より出口において軌道修正があるが、研究の進捗は概ね順調といえる。
研究の出口はデータ圧縮よりも時系列の理解そのものを深める基礎的視点を得ることに重点を置くことが望ましい。応用として音声時系列における展開を新たに加える予定である。
研究の進展に伴い、次年度に所属組織にてリカレンスプロットについての国際学会を主催することとなったため、その準備と外注プログラム発注のために準備予算が必要となったため。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)
The European Physical Journal Special Topics
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