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2021 年度 実施状況報告書

分散型知覚情報並列処理のための睡眠覚醒モデルの提案と遠隔操作移動ロボットへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K12071
研究機関筑波大学

研究代表者

三河 正彦  筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (40361357)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード移動ロボット / サービスロボット / 睡眠覚醒機能 / 省電力 / 積雪寒冷地 / 遠隔操作 / 知覚情報処理
研究実績の概要

本研究の目的は,並列知覚情報処理のための意識モデルを利用したタスクに応じた分散処理系を構築し,サービスロボットシステムへ適用することである.本研究の特徴は,人間の睡眠覚醒機能に基づく数理AIMモデルが知覚情報の並列処理の実行頻度を制御し,必要な処理を必要な時に実行可能な新たな知覚情報処理系を有することである.更にAIMモデルの複数PCの計算機リソース管理機能が実現するネットワークを介して分散処理により,情報処理効率と省エネルギー効率の高い知覚情報処理系が実現される.
本研究課題初年度は,評価実験の現場である北海道稚内市の駅ビル内外に置いて,積雪寒冷地のためのサービスロボットとして遠隔操作移動ロボットシステムを円滑かつ安全に運用するために,次に示す基本機能の実装を行った.
(1) 北海道稚内市駅ビル内外で移動ロボットを遠隔操作するために,駅ビル内に本研究専用の光ネットワークと無線LANを設置した.移動ロボットに搭載した広視野カメラとマイクロフォンの映像と音声信号を,WebRTCを利用することにより送受信遅延の少ない遠隔操作が可能となった.PC,スマートフォン,タブレットを用いた遠隔操作が可能で,稚内市と筑波大学間で遠隔操作実験を行った.またレーザ距離計に基づく障害物回避機能により,遠隔操作オペレータは安心した遠隔操作が可能となり,これまで試作してきたシステムに比べて操作性が向上した.
(2) レーザ距離計を利用したSLAMにより,移動ロボットの移動制御のための駅ビル内の地図作成,充電場所への自律移動を想定した特定場所への自律走行等の基本機能を実現した.
(3) (2)に加えて,カメラ映像を利用したVisual SLAMを実現するために,人等の移動物体を考慮した新たな手法を提案し,高精度の地図作成と自己位置推定を実現し,査読付国際会議において成果発表を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究課題の目的は,「1. 数理AIMモデルによる複数PCリソース管理と並列知覚情報プロセス管理の実現」「2. サービスロボットの状態管理のための拡張数理AIMモデルの設計」「3. 稚内で開催されるイベントでの実証実験」である.本研究は稚内駅駅ビル内外を実験エリアとするが,移動ロボットシステムを運用する際,駅ビルを管理する(株)まちづくり稚内に安心・信用してもらえるよう,研究実績の概要(1)で述べたように,円滑・安全・時間遅延の少ない遠隔操作機能を優先して開発を行った.数理AIMモデルによる複数センサ情報の並列知覚情報処理のプロセス制御機能は作成済みであるが,COVID-19の影響により,稚内市における調査・調整・実験期間が十分に確保できず,研究開発に遅れが生じている.

今後の研究の推進方策

2022年度は,感染拡大に注意しつつも,移動を伴う研究開発活動も少しずつ拡充が可能と思われる.今後は,ここ数年COVID-19の影響で中止となった稚内市内のイベントの開催に関する情報を継続して収集しつつ,駅ビルに遠隔操作移動ロボットを常時設置し,更なるシステムの安全な運用に必要な機能の充実に加える.また現在までの進捗状況で述べた当初の3つの目的を実現するために,数理AIMモデルに基づく並列処理制御機能の実現,数理AIMモデルの拡張を行っていく予定である.

次年度使用額が生じた理由

COVID-19により,学内での実験や北海道稚内市での実験等の研究活動が縮小したため,支出および研究の計画に遅れが生じた.2022年度に北海道での実験を実施する予定であり,そのための実験機器や旅費などに研究費を使用する.

備考

1) "筑波大学三河准教授 稚内で研究 寒冷地対応のロボット",日刊宗谷,2021年5月14日(金).
2) "滞在1週目 宗谷のアナザーストーリー",ローカルフレンズ滞在記,ほっとニュース北海道,日本放送協会(NHK),2021年4月13日(火). https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n4e7fea704ce4

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件) 備考 (3件)

  • [学会発表] FCH-SLAM: A SLAM Method for Dynamic Environments using Semantic Segmentation2022

    • 著者名/発表者名
      Youwei Wang, Masahiko Mikawa, Makoto Fujisawa
    • 学会等名
      2nd International Conference on Image Processing and Robotics (ICIPRoB2022)
    • 国際学会
  • [学会発表] 積雪寒冷地における遠隔操作移動ロボットを利用した取り組み2022

    • 著者名/発表者名
      三河 正彦,照井 章,藤澤 誠
    • 学会等名
      第13回日本ロボット学会北海道ロボット技術研究専門委員会学術講演会
  • [学会発表] グレブナー基底を用いた画像スティッチング2022

    • 著者名/発表者名
      大橋 侑汰,三河 正彦,照井 章,藤澤 誠
    • 学会等名
      Tsukuba Computer Mathematics Seminar
  • [学会発表] ace Image Generation with Features of Specific Group from Small Dataset2021

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Kato, Masahiko Mikawa, Makoto Fujisawa
    • 学会等名
      2021 IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics (SMC 2021)
    • 国際学会
  • [学会発表] LEGO 3D CGモデルのジョイントを考慮したURDF変換ツール2021

    • 著者名/発表者名
      三河 正彦,照井 章
    • 学会等名
      ROSCon JP 2021
  • [備考] NOR: 最北端の遠隔操作移動ロボット

    • URL

      https://srlab.mydns.jp

  • [備考] ソーシャルロボット研究室

    • URL

      https://slis.tsukuba.ac.jp/~mikawa.masahiko.ka/

  • [備考] Social Robotics Laboratory

    • URL

      https://mikawalab.org

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公開日: 2022-12-28  

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