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2023 年度 実施状況報告書

「動き」がデザインの評価に与える影響についての実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K12085
研究機関神戸大学

研究代表者

長坂 一郎  神戸大学, 人文学研究科, 教授 (10314501)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードデザイン論 / 「動き」 / フローズン・エフェクト
研究実績の概要

本年度は、瞬間のうちに現れるファッションという現象について、ファッション・ショーの初期のあり方を参照しつつ、心理学実験の結果を踏まえて議論した。まず最初に、空間的・概念的境界面と機能との関係について、ハーバート・サイモンの「インターフェイスとしての人工物」という考えに基づいてファッションと機能のパラドクシカルな関係について分析し、次に、過去と未来の時間的境界については、ファッションに関するジョージ・ダーウィン(チャールズ・ダーウィンの息子)の言説を紹介しつつ、機能に基づかないことを特徴とするファッションの変化について考察した。最後に、瞬間のうちに現れるファッションという現象について、ファッション・ショーの初期のあり方を参照しつつ、心理学実験の結果を踏まえて議論した。いずれの場合においても、ファッションと機能との間にある一筋縄ではいかない関係が浮かび上がった。本研究は、この「瞬間」という「動き」によるデザイン評価の変動を測定するものであるが、ファッションにおけるデザインを考えるためには、この「動き」と機能との関係を考察する必要がある。ファッションの3種類の境界面における機能とファッションのあり方の分析を通して、デザインにおける「動き」の効果についての理解が深まり、実験前の概念的整理が終わった状態である。研究代表者が研究科長となってしまったために、研究は遅れ気味ではあるが、研究科長職の任期が終了した本年度以降、本課題の遂行に専念できる環境が整いつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者が所属する部局の研究科長となったことと、研究開始当初の Covid-19 の影響により研究の進捗は若干の遅れを見せている。研究科長職も終わり、この遅れを挽回しつつある。

今後の研究の推進方策

今後、「課題 3: デザインの種類による「動き」の効果の変動の測定」を進める。また、デザインにおける「動き」の効果を測定するための具体的な実験方法を考案する。

次年度使用額が生じた理由

研究代表者が所属する部局の研究科長となったため、研究に従事する時間が著しく減少したこと、さらに、 研究開始当初のCovid-19 の感染状況によって、海外での成果発表が行えなかったことが次年度使用額が生じた主な理由である。本年度は、研究科長職の任期も終わったため、本課題のまとめに取り掛かる予定である。そして、「課題 3: デザインの種類による「動き」の効果の変動の測定」を行う費用として繰越金を当てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] ファッションと3種類の接触面 : ファッションにおける、機能にかかわる諸問題2024

    • 著者名/発表者名
      長坂一郎
    • 雑誌名

      服飾研究

      巻: 15 ページ: 16-25

  • [学会発表] 日本建築の3つの系統(東南アジア/中国/日本)と現代の日本住宅2023

    • 著者名/発表者名
      長坂一郎
    • 学会等名
      2023年「東アジア学領域横断ネットワーク」国際会議
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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