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2022 年度 実施状況報告書

概念連想実験による単語心象性定量化辞書の構築とfNIRS脳計測によるデータ評価

研究課題

研究課題/領域番号 21K12095
研究機関嘉悦大学

研究代表者

辰巳 奈央  嘉悦大学, 経営経済学部, 講師 (50761186)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード連想実験 / 概念辞書
研究実績の概要

本研究課題は計算言語学的手法と脳計測データの機械学習的手法を用いた言語理解モデルの構築に寄与することを目的とするものである。単語間概念課題を含む連想実験を行い収集したデータを用いて、感性表現に用いられる単語の定量化辞書を構築する。線形計画法を用いて定量化することによって、既存の感性評価語データベースでは表現できない、単語の持つ心像イメージに対する「程度」を表す。また定量化データを刺激としたfNIRS脳計測実験を行うことで構築した辞書の評価手法を提案するとともに、認知神経科学的側面から人間の言語機能の解明に寄与する。
2022年度においては、連想データを用いた構造化辞書の構築と定量化を中心に研究を進めた。これまでに収集している連想データに混在するかな漢字変換の間違えや入力ミス、課題の理解不足と思われる回答に対してフラグを付け、修正や除外などのデータの整理を行うことによって辞書に収録される語の精度を高めた。無効データが多かった刺激語/刺激語セットについては、追加収集に用いる実験システムの調整と実験参加者の手配を行い追加の連想実験を実施した。また1つの刺激語に対してこれまでの40名から先行研究と同様規模である「回答者数50人」のデータとする追加実験を開始し、実験セットにもよるがその一部を完了した。収集データの整理と平行して辞書としての構造化と線形計画法を用いた定量化を行うが、全データの整理には時間が掛かるため実験的に少規模版辞書の構築を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2022年度における本研究課題の進捗は主に感性表現に用いる単語の構造化辞書の構築・定量化に係るものである。2021年度に引き続き、連想実験によって収集した連想データ全体に対しての整理と修正を行った。本研究課題において連想データの整理・修正は構築される辞書の性質を左右するものであり、慎重に進めている。2021年度に収集したデータを確認し、無効データが多かった刺激語セットについて追加で収集を行った。また先行研究と同様規模である「回答者数50人」の辞書にするために追加の連想実験を手配し、その一部を完了させた。一方で、構築した辞書の構造と定量性の検討については他辞書との比較が可能なデータ規模の少規模版辞書の構築の遅れから、引き続き2023年度の課題となっている。
また構築した辞書から選択した単語を実験刺激として用いるfNIRS脳計測実験の予備実験を年度後半より行う予定であったが延期している。fNIRSはfMRIなどの脳計測手法と比べると装着時に頭に触れる時間が長く、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響下においては身体に触れられた実験協力者がストレスを感じる可能性があるため生理反応への影響を考えて2023年度以降に延期した。

今後の研究の推進方策

2022年度に微修正した研究方針に即して、引き続きデータの修正・辞書構築を先行して行いつつ計測実験の準備を進める。全ての刺激語に対して先行研究と同様の50名の回答データを得ることでより緻密な辞書とするために2022年度に追加実験を開始したが、引き続き収集を行い2023年度前半に完了させる。データ整理・修正についても研究補助者への依頼を進めている。
また2022年度に実施を延期したfNIRS脳計測実験の予備実験については、2023年5月に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染法上の分類が第5類へと変更されたことを受け、実験再開のための準備を始める。完全に感染が抑えられているわけではないため感染拡大状況ならびに実験協力者の主な所属先となる各大学の対応方針を確認しながら、なるだけ早い実施時期を検討していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた項目は主に旅費と人件費等である。旅費については、当初発表を考えていた隔年開催の国際会議がCOVID-19による延期により開催タイミングがずれたため2023年度の参加を予定している。人件費については、データ整理の遅れならびに協力者の身体を触らざるを得ないfNIRS脳計測実験を延期したためである。またそれに伴い「その他」として使用を予定していた脳計測装置に係る支出も延期している。
2023年度は修正が残るデータ整理費用を年度前半、実験実施を延期したfNIRS脳計測協力者への謝金ならびに計測装置に係る支出を年度後半中心に使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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