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2021 年度 実施状況報告書

視線計測データと画像解析を用いた視覚認知の定性および定量分析

研究課題

研究課題/領域番号 21K12098
研究機関国士舘大学

研究代表者

粟野 直之  国士舘大学, 経営学部, 講師 (80750687)

研究分担者 林 佑樹  大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (40633524)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード視覚 / 認知 / 視線解析 / 画像解析
研究実績の概要

本研究では,視線計測データから「視認対象をどの程度認知しているのか」を評価できる可能性を調査する.その方法として,先天的な認知と後天的な認知を異なるものと仮定したうえで,視線解析と画像解析を併用した認知量の定量評価法を検討する.初年度は主に以下の2種類の成果を挙げる.
(1) 画像解析によるデータ分析のための研究基盤構築:画像特徴量を認知評価へ応用することの妥当性を評価した.従来,視覚認知に影響していると仮定した様々な画像特徴量が提案・利用されてきた中で,視覚的な認知量を評価できる,あるいはそれを目的とした画像特徴はない.そのため,これまでに視覚的および心理的評価で利用されたことのある複数の画像特徴量や,それらに類似した画像特徴量を対象とし,それらが視覚認知の評価に利用できる可能性があるかどうかの予備調査を行った.主に申請者の過去の研究成果をベースとし,認知量評価への応用の妥当性を評価した.結果として,申請者らが過去に感性評価に応用したことのある心理画像特徴量が,認知量を評価するうえで最も有効である可能性を示し,定性的にも妥当な結果であることを結論付けた.この成果を今後の画像解析のベースとし,視線データ分析の際にも利用する.
(2) 認知実験の設計および刺激画像の準備:最初に先天的な認知に関する視覚認知量を評価するため,視線計測実験の設計に取り組んでいる段階である.実験に利用する刺激画像に関しては,インターネットで公開されている画像データベースや関連研究を参考に選別した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請者の所属機関の異動に伴い,基本的な研究環境を最初から構築する必要があったため,環境構築に大幅な時間を費やすこととなった.また,実験の設計をする前に,認知量評価に画像特徴量を用いることの妥当性を明確にした方が良いと判断し,様々な画像特徴量の予備調査を行った.今後の画像解析のベースとなるため重要な成果であったと考えている.しかし,現在は視線計測実験の設計段階にあり,申請時の研究計画では初年度中に実験設計を完了させる予定であったことから,やや遅れているものと評価した.

今後の研究の推進方策

先天的な認知に関する認知量を評価するための視線計測実験設計を早期に完了させる.そして,実験環境の整備とともに,新型コロナウイルス感染症に十分配慮しながら実験を実施する予定である.従来の研究から,人の視覚認知には動物を瞬時に識別できる能力があることが知られているため,これに非動物の図形や意味を持たない図形などを視認させる視線計測実験を行う.視線特徴と画像特徴から動物に関して瞬時に検知できる特徴が現れるかどうかを検証する.また,心理学実験で広く知られているメンタルローテーション課題に関する知覚反応も検知できるかどうかも同時に検証する予定である.

次年度使用額が生じた理由

当初購入を予定していた解析用ワークステーションに関して,先述した実験設計の遅れに加えて関連部品の価格高騰を考慮し,購入時期を若干ずらしても影響は少ないと判断して購入を先送りした.したがって,繰越分はそのままワークステーション購入費として計上する計画である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Object Categorization Capability of Psychological Potential Field in Perceptual Assessment Using Line-Drawing Images2022

    • 著者名/発表者名
      Awano Naoyuki, Hayashi Yuki
    • 雑誌名

      Journal of Imaging

      巻: 8 ページ: 1~12

    • DOI

      10.3390/jimaging8040090

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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