• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

手術シミュレーション用臓器モデルの超高速、超安価な革新的製作技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K12103
研究機関山形大学

研究代表者

川上 勝  山形大学, 有機材料システムフロンティアセンター, 准教授 (70452117)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード3Dプリンター / ハイドロゲル / 臓器モデル
研究実績の概要

令和4年度の研究では、UVレーザーの照射により溶液を加熱し、澱粉の糊化を利用した3D造形を試みた。使用したUVの波長(405nm)では、澱粉溶液が光を吸収しないため、黄色系の食用色素などを添加する必要が有ることが分かった。また糊化された部分も、透明度に欠け、臓器モデルの透視の機能を持つことが困難であることが分かったため、デンプンでは無い凝固因子を検討した。具体的には、多糖の一種であるカードランを用いて、レーザー加熱による凝固反応を用いた造形を試した。その結果、熱による凝固は確認されたが、デンプンと同様に、UVレーザーでは効果的に温度上昇を起こすことが困難であり、色素の添加が必要であった。また造形されたゲルの強度が低く、透明度も劣るため、3D造形の材料としては適していないことを確認した。
そのため、造形原理として熱による凝固では無く、UV光による光架橋反応を利用したゲルの造形を検討した。アクリルアミド系のハイドロゲルを用いて、UVによる造形を行い、その後に白く白濁させたい部分には、別途加熱のみを目的とした照射光を当てる方式をとる方式を検討した。そのため、3Dプリンタは、光架橋を起こすためのUV光照射光源と、材料を加熱できる、可視光域の波長を持った光源を備えた構成となる。
基礎となる3Dプリンタ筐体は、ステージが動く方式では無く、ノズル部がXY方向に走査する方式が適していると判明したたため、令和4年度では、「coreXY」と呼ばれる方式のプリンタを導入し、この制御基板を、2波長の光源を制御可能な方式に変換し、実際に稼働する2波長ゲル3Dプリンタを試作した。造形されるゲルの造形精度についても調査した。臓器によくみられる管状のモデルを造形し、その管の肉厚と内径が、どの程度まで小さなものが製作できるかを調べたところ、肉厚1mm、内径2mmの管状モデルの造形が可能であることを確認した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 4D printing of hydrogels controlled by hinge structure and spatially gradient swelling for soft robots2023

    • 著者名/発表者名
      Masanari Kameoka, Yosuke Watanabe, MD Nahin Islam Shiblee, Masaru, Kawakami, Jun Ogawa, Ajit Khosla, Hidemitsu Furukawa, Shengyang Zhang, Shinichi Hirai, Zhongkui Wang
    • 雑誌名

      Machines

      巻: 11 ページ: 103-117

    • DOI

      10.3390/machines11010103

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 3Dゲルプリンターを用いたソフト管モデルの開発2023

    • 著者名/発表者名
      坂下大輔,川上 勝,渡邊 洋輔,エムディナヒン イスラム シブリ,小川 純,古川 英光
    • 学会等名
      東北学生会 第53回学生員卒業研究発表講演会
  • [学会発表] 3Dゲルプリンターを用いた臓器の手術モデルの作製2022

    • 著者名/発表者名
      坂下大輔,渡邉 洋輔,川上 勝,小川 純,MD Nahin Islam SHIBLEE,古川 英光
    • 学会等名
      4DFF2022
  • [図書] ソフトロボット学入門2023

    • 著者名/発表者名
      新学術領域「ソフトロボット学」研究班 日本ロボット学会、鈴森 康一、中嶋 浩平、新山 龍馬、舛屋 賢
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      オーム社
    • ISBN
      427422998X
  • [図書] やわらかものづくりハンドブック2022

    • 著者名/発表者名
      古川 英光、川上 勝
    • 総ページ数
      600
    • 出版者
      エヌ・ティー・エス
    • ISBN
      978-4-86043-780-0

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi