本研究で開発した手法は溶質分子だけではなく溶媒分子も原子レベルの解像度で取り扱った上でドッキングを行う。それは、通常分子動力学シミュレーションを用いたハイコストな方法でしか計算することが出来なかった、溶質・溶媒間の水素結合の影響を加味した上で、リガンド分子の結合部位や結合親和性を予測することを可能とした。それはドッキング計算の予測精度を高めるためのこれまでに無いアプローチであった。溶媒分子を原子レベルの解像度で扱うことは通常のドッキングでは予測が不可能な“水やイオンを介したリガンドの結合”の予測も可能とする。この点も既存のドッキング手法では達成することが不可能な点であった。
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