研究課題/領域番号 |
21K12119
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鈴木 隆弘 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (40323422)
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研究分担者 |
花岡 英紀 千葉大学, 医学部附属病院, 教授 (80361426)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | NDB / ビッグデータ / レセプト / DB研究 / リウマチ / 癌 / 在宅医療 / RWD |
研究実績の概要 |
本研究では、「関節リウマチ患者に対するバイオ製剤の利用」、「がん免疫療法薬ヒトPD1モノクロナル抗体投与患者の継続率と生存率」、「癌患者の在宅医療の実態」、「NDBを臨床研究で解析するための継続率測定のためのルーチンなプロセスを作成」の4つの課題を設定している。 本年度は,主に「関節リウマチ患者に対するバイオ製剤の利用」について研究を進め2本の論文の投稿を行った。NDBデータを用い、抗リウマチバイオ製剤の薬剤別継続率の比較を行った結果、7年間でリウマチ患者121,131人に初めてバイオ製剤が処方されており、RWDの分析では薬剤継続率が全体的に従来の報告よりも低く、TNF阻害剤よりも非TNF阻害剤で高いことが示唆された。また、生物学的製剤とメトトレキサートの投与開始月別の患者数を集計した結果、投与開始時期は季節によって正弦曲線状に変化し、5月から7月が最も多く、11月から1月が最も少なかった。bDMARDの開始時期が春にピークを迎えるという明らかな季節変化が認められ、日本では春にRAが増悪していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「関節リウマチ患者に対するバイオ製剤の利用」については、リウマチ患者の継続率と季節変動制については、2021年度末までにそれぞれ分析結果をとりまとめリウマチ専門誌である「Modern Rehumatology」に投稿を行いアクセプトされている。また副作用の発生状況についても解析を進めており、現在投稿を進めている。 一方で本分析で明らかとなった課題については整理を行い、4つめの課題であるNDBを臨床研究で解析するためのノウハウとしてとりまとめる準備を進めている。具体的には、分析に要した作業を「事前準備」、「データ整備」、「1次加工」、「2次加工」、「本分析」のプロセスに分類し、それぞれでの実施内容と課題を整理している。 2つ目、3つ目の課題として設定したがんの免疫療法、および在宅での診療実態については、分析プロトコルの一次検討を行い、NDBへの申請を完了している。現在、厚生労働省からの審査結果、およびデータの提供を待っている。
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今後の研究の推進方策 |
「関節リウマチ患者に対するバイオ製剤の利用」については、副作用の論文の投稿が済み次第、作業を終了する。 「がん免疫療法薬ヒトPD1モノクロナル抗体投与患者の継続率と生存率」、「癌患者の在宅医療の実態」については、厚生労働省からのNDBのデータの提供待ちの状況であり、提供は早くとも2022年度下期以降と考えられることから、実際の分析作業は提供後の2022年度末以降を予定している。 2022年度上期は、「NDBを臨床研究で解析するための継続率測定のためのルーチンなプロセスを作成」について、2021年度の実施状況から得たノウハウを整理し、とりまとめを行う。2022年度下期以降のNDB利用から得られた示唆については、随時追加し、最終的なとりまとめを行う予定である。
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