研究課題/領域番号 |
21K12121
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今江 禄一 東京大学, 医学部附属病院, 副診療放射線技師長 (80420222)
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研究分担者 |
名和 要武 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00456914)
鍛冶 静雄 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (00509656)
竹中 重治 東京大学, 医学部附属病院, 診療放射線技師 (10623564)
仲本 宗泰 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (10808877)
尾崎 翔 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (60615326)
山下 英臣 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70447407)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 放射線治療 / 疎な / 医用画像情報 / 深層画像 / 安定要件 |
研究実績の概要 |
放射線治療において医用画像は治療前や治療期間内,治療後など多くの場面で用いられている.特に,治療期間内の位置照合時に得られる医用画像情報は情報量が少ない(以下,疎な)一方,治療の効果および副作用に関する生体情報を含有している可能性がある.近年の情報処理技術の発展に伴い,医用画像に対して深層学習を用いた画像処理や解析(以下,深層画像処理)が適用され始めているものの,処理の自由度が高いために解析の安定条件に課題があり,汎用的に利用されていないのが現状である.本研究では,放射線治療で得られる疎な医用画像情報に着目し,安全かつ有効に利用可能な深層画像処理の要件を勘案した上で,深層画像処理の安定化を図ることを目的とする.当該年度は以下のことを実施した. (1) 本研究では高精度放射線治療を実施する患者を対象とし,前年度に引き続き医用画像および基本情報の取得と蓄積を行った.対象疾患および治療法は,限局性前立腺癌に対する体幹部定位放射線治療,頭蓋内腫瘍に対する頭部定位放射線治療,低強度造血幹細胞移植前の全身照射における強度変調放射線回転照射法とした. (2) 本課題における副次的応用研究として放射線治療で得られる疎な医用画像(CBCT画像)から抽出した治療期間中の生体変動を含む特徴量を用いて予後予測が可能であるか検討を行なった.得られた研究成果は論文として国際学術誌に掲載された. (3) 放射線治療で得られる疎な医用画像情報の有効利用に関する研究の一環として,院外心停止患者の頭部CT画像のレディオミクス解析から神経学的予後を予測する研究について研究発表を行った. (4) 深層ニューラルネットワークや拡散モデルを用いたCT画像再構成に関する研究発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に引き続き,患者の基本情報の取得および蓄積を行った.収集した情報を適切に処理するため,解析前に匿名化や情報の整理,加工に時間を要している.一方,当該研究に関して多方面の取り組みを行っており,成果について報告を行っている.
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今後の研究の推進方策 |
1. 患者の基本情報の取得および蓄積 2. 研究対象や解析方法の適用拡大についての検討 3. 深層画像処理を用いたセグメンテーションにおける精度の評価,学習数および適切なハイパーパラメータの探索 4. 探索結果の評価と深層学習処理の課題の明確化
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に計上していた国際学会の参加について,研究の進捗を勘案して延期と判断したため,次年度使用額が生じた.次年度以降では国内もしくは国際学会の参加を検討している.また,国際論文の投稿を目標として,英語論文の作成で必要な校閲費用を英語校閲費として計上しており,有効に活用する予定である.
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