研究課題/領域番号 |
21K12127
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
道前 洋史 北里大学, 薬学部, 講師 (70447069)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | コピュラ / リッジ回帰 / ベイズ推定 / 生存時間解析 / 競合リスク / 左側切断 |
研究実績の概要 |
近年、RNA-seq(RNAシークエンシング)はマイクロアレイと比較して優れた特徴を多く有することから遺伝子研究の分野で急速に発展してきたが、未だRNA-seq解析による離散的な遺伝子発現量データに特化した信頼のおける癌患者の予後予測モデルは提案されていない。 本研究では、RNA-seq解析による離散的な遺伝子発現量に特化した癌患者の予後予測モデルの提案と性能検証を目標とし、癌患者の個別化医療の実現に向けた予測精度の高い予後予測モデルを確立することを目的としている。 遺伝子発現量と生存時間データを視野に入れた予後予測モデルを構築するためには、遺伝子発現量(独立変数)の相関のみならず、この生存時間データに特有な打ち切り、競合リスク、左側切断といった不完全データの取り扱いに対応しなければならない。そのため、今年度は独立変数間の相関のみならず、生存時間データにおける打ち切り、競合リスク、左側切断の統計学的問題に取り組んだ。今年度の成果としては以下の通りである。 独立変数間の相関問題についてはコピュラを用いた新たな統計モデル(線形モデル、一般化線形モデル、生存時間モデル)を提案し(AStA Adv. Stat. Anal.誌、Comput. Stat.誌、他1報投稿中)、打ち切り・競合リスク・左側切断の問題についてもコピュラを用いた新たな統計モデルを提案した(日本統計学会誌、Mathematics誌、他1報投稿中、他1報投稿準備中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は、RNA-seq解析を利用した個別化医療に対応するため、その離散的な遺伝子発現量に特化した癌患者の予後予測モデルを構築することである。一般に遺伝子情報は高次元であり、本研究ではこの高次元データのモデリングをコピュラで実施する。しかし、高次元データのため、ベイズ法によるパラメータ推定に膨大な時間がかかり、現在用いているアルゴリズムでは推定できない。
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今後の研究の推進方策 |
現在、近似的で高速なパラメータ推定方法を模索中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定のパソコンの販売が遅れていたため、次年度使用額が生じた。2023年3月に購入予定のパソコンが販売されてたため、4月に購入する予定である。
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