研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、ファインマンの自由エネルギー不等式に基づく相対的結合自由エネルギーの予測法にreference interaction site model (RISM) 理論による陽溶媒効果を取り入れることである。Pim-1キナーゼの阻害剤の6個のリガンドに対し、相対的結合自由エネルギー計算を試みた。その結果、決定係数r2=0.72、ΔΔGerror =1.04kcal/molという従来の結果を大幅に改善することできた。
生物物理
本研究の基本的目標は、様々な疾病に関わるタンパク質とリガンドの相対的結合自由エネルギーを精度よく予測することである。それは、新薬開発の一番最初の重要な過程である。本研究では、ファインマンの自由エネルギー不等式に基づいた従来の方法に陽溶媒を取り入れることにより大幅な精度の向上を示す事ができた。このことは、将来創薬の現場において、結合自由エネルギーの高い精度での予測を可能とし、創薬過程を大きく効率化できることが期待される。