研究課題/領域番号 |
21K12153
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
根本 清貴 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80550152)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脳画像解析学習支援 |
研究実績の概要 |
脳画像研究は非侵襲的に脳の構造や機能を探索することができる。しかし、脳画像解析手法を習 得することは容易ではない。解析ソフトの学習コストが高いことに加え、統計の理解やプログラ ミング技能も求められるためである。本研究では、ウェブ会議システムを活用した脳画像解析学習支援環境の開発を行う。このシステムの特徴は、学習コンテンツだけではなく、脳画像解析システムも提供すること、そして、個別サポートもパッケージングすることにより、個々の研究者の研究を論文化するところまで見据えているところである。 1. 初年度の2021年度は、複数の初学者に対してインタビューを行い、脳画像解析のためには、動画コンテンツも有用であるが、それ以上に、step by step で解説してあるテキストが有用であるということを確認した。これより、申請者が運用しているホームページに「脳画像解析e-Learning」セクションを作成し、公開した(https://www.nemotos.net/?page_id=2436)。そして、ここに、105のコンテンツを掲載した。 2. 個別サポートにおいては、コロナ禍で汎用されるようになったビデオ会議システム(Zoom)を用いて、研究者のPC画面を直接共有してもらい、それに対して具体的に指示を行うという試みを行った。3名の研究者に対して、ビデオ会議システムによるサポートを行い、研究の進捗を得ることができるようになった。さらに、インタラクティブサポートとして、Slackというコミュニケーションツールを用いて脳画像解析サポートのワークスペースを新設した。現在、13名が登録しており、活発なディスカッションやノウハウの共有が行われている。 このように、初年度において、「インフラの構築」を行うことができた。今後、コンテンツの充実を図っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の目的である、「学習コンテンツの開発、脳画像解析システムの提供、個別サポートのパッケージ」において、インフラストラクチャーの開発は1年半を要すると考えていたが、初年度で構築することができた。このため、今後は、学習コンテンツの充実を図ると同時に、構築したインフラを活用して、個別の研究者のサポートを行い、論文発表に結びつけることに集中することができるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
1. ビデオ会議システムおよびコミュニケーションツールの活用方法の基礎が確立できたため、これらをいかに汎用化できるかを見据えたスキルの共有を図っていく。 2. 学習コンテンツに関して、さらなる充実を図り、初学者が一通りの解析をできるようになるための道標となるリソースの作成を進めていく。 3. 個別サポートと同時に、ウェビナーを通じて、多くの人が学習できるコンテンツ作成も進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のために当初予定されていた学会参加がなくなったため。
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