研究課題/領域番号 |
21K12162
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
近藤 啓介 駒澤大学, 医療健康科学部, 教授 (10310666)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アクティブラーニング / 教育コンテンツ / 課題解決型 / 診療放射線技師教育 / ファントム |
研究実績の概要 |
「診療放射線技師」の教育における、自ら考え行動できる人材育成のための教育コンテンツを構築した。教育手法としては、開発したX線吸収率の異なる3種類の立方体ファントム(XCUBE)各9個の計27個からなる放射線用ファントムを縦×横×高さ各3個の計27個が入る不透明の黒いボックス(BBOX)に入れ封印する。BBOXをX線装置で撮影し得られた画像を解析し、27ヶ所の位置に3種類のXCUBEのどれが配置されるかを当てる。評価は、解析の速さと正確性、および撮影回数の少なさを点数化した。XCUBEは開発済みの3種類に新たに作成した4種類を加えて解析の難易度調整を行った。BBOXを上部からX線撮影するとXCUBEが3個重なった状態になり、その3個分を透過したX線の強さに応じて画像の画素値が変化する。そこで、画像の画素値が種類により区別がつくような差があり、3つの組合せの10パターンが異なる組み合わせであっても画素値がほぼ同じになるパターンが2組あるようにXCUBEを調整して、3種類を選定した。患者の被ばく低減を意識させるように撮影回数が少なくなるような評価点数に調整した。 3年目には、駒澤大学、帝京大学、杏林大学、日本医療科学大学、東京都立大学、中央医療専門学校の6大学から14チームが参加し交流大会を実施した。方法も1日で多くの競技回数ができるようし、画像の選択方法も柔軟にできるように改良を加えた。また、高校生向けの簡略板もオープンキャンパスの体験授業(50分)で実施できるように改良を加えた。体験した高校生からは高い評価を得ることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教育用ファントムとして立方体ファントムを開発して適切な立方体ファントム(XCUBE)の3種類を選定した。XCUBEを縦横高さ各3個の計27個が入る不透明の黒いボックス(BBOX)をX線撮影して得られた画像を解析して27ヶ所のどの位置に3種類のXCUBEのどれが配置されているかを当てる教育手法を作成した。BBOXを上部からX線撮影すると3個のXCUBEが重なった状態となり、3個を透過したX線の強さに応じて画像化される。3種類から3個を選ぶ組み合わせは10パターン存在し、得られる画素値が全て異なると組み合わせが特定されるので、同じ画素値になるパターンを2組作るような3種類を選び出した。実際に学生の教育として、大学対抗の交流大会を開催することで検証を行い。難易度はやや難しいぐらいに調整が出来た。 また、X撮影をすることが機材の準備と時間が必要であったため、事前に撮影した9方向のX線画像から選択させる方法へと変更したことで、時間的な余裕ができ、3回戦の総合展で競争が可能となり、考察方法の幅を広げることが可能となった。画像の選択には、より柔軟な考察が可能になるように工夫することで、より少ない画像でより正確な解析が可能になった。 大学生向け以外として、高校生向けの難易度を下げた縦横高さ各2個の計8個が入るBBOXのを作成し実際に実施した。オープンキャンパスの体験授業(50分)で実施可能なように改良を加えることで、手軽に高校生に体験できるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
開発した教育用ファントムを利用した交流大会の参加大学が6大学に増えたことで、運営する教育者の負担を軽減する実施方法が必要となってきた。現在は準備は1人、当日は2~3人のサポートで実施している。参加者が増えると教員の増員が必要となるため、実施方法を工夫して少ない人数でも実施できるようにすることが、コンテンツの普及につながると考える。夏に実施する大会までに実施方法の改良を加えて検証をする予定である。 また、高校生向けのコンテンツが非常に高評価なため、できれば高校の先生が実施できるぐらいに改良を加える予定である。また、もう少し簡略化することで小学生の高学年から中学生でも実施できる可能性が出てきたため、中学生向けの方法も開発する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
高校生向けの教育コンテンツが高評価であった事と、小学生高学年から中学生でも利用できる可能性があったことから、ファントムの素材開発の見直しが必要になった。そこでファントムの作成を次年度に延期することとし、ファントム素材の選別の時間を十分にとることにしたため。
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