研究課題/領域番号 |
21K12164
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
藤枝 直輝 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (30708425)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | FPGA / 遠隔学習 / 計算機システム |
研究実績の概要 |
本課題で提案するのは,ディジタル回路を遠隔で学習・演習する際の効果を高めるための,「さわれる」遠隔学習システムである.安価なコントローラボードを制作し,これを用いて遠隔環境の演習ボードを操作する環境を提供する.これにより,実地で直接ボードを操作するときと同じ感覚で,回路の動作を確認できるようにする.令和3年度は,(1) スタンドアロン環境,すなわちユーザPCにFPGAを搭載した実習ボードとコントローラボードが両方接続された環境で動作するプロトタイプの構築と,(2) ディジタル回路学習のためのソフトウェアの開発と拡張について,研究を実施した. (1) では,プロトタイプの実現に必要な構成要素として,試作版のコントローラボード,ユーザPC上での通信中継ツール,実習ボード上のFPGAに搭載する入出力制御回路,およびユーザ回路部分を開発するためのワークフローとその支援ツールを構築した.(2) では,既存のハードウェア記述言語(HDL)学習のためのツールである GGFront をベースに,2種類の言語に対応した IGGFront というツールを開発した.IGGFront を含む,これまでの GGFront の開発と利用にかかる成果をまとめた論文を,現在和文論文誌に投稿中である.また,近年のプログラミング教育でよく利用されるビジュアルプログラミングツールの要素を取り入れた,新しいディジタル回路学習ツールを開発した.このツールの設計と実装については,研究会での発表を予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スタンドアロン環境で動作する第1段階のプロトタイプの開発はやや遅れているものの,遠隔環境で動作する第2段階のプロトタイプの開発完了に支障はないと考えている.当初第1段階のプロトタイプの開発完了を令和3年度内と見込んでいたが,結合テストが令和4年度にずれ込んでいる.しかし,これは第2段階のプロトタイプまでに必要と考えられる構成要素(ワークフローと支援ツール)の開発を優先した結果であり,全体としては順調に進捗している.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,第2段階のプロトタイプの令和4年度中の開発完了,令和5年度の試用に向けて,システムの開発を進める.また,第1段階のプロトタイプを通じて得た知見や,ディジタル回路学習環境の開発・拡張の成果などは,積極的に対外発表を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により,多くの国際学会・研究会がオンラインのみの開催,あるいはオンライン・対面の併催の形を取った.このため,計上していた旅費が実際には支出されなかった. 生じた次年度使用額は,コントローラボードをより多くの学生に試用してもらうための,追加のボード試作・実装費として使用する予定である.
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備考 |
研究テーマの概要は研究室Webサイトにて,作成したツールのソースコードはGitHubにて,それぞれ公開している.
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