研究課題/領域番号 |
21K12167
|
研究機関 | 藍野大学 |
研究代表者 |
高畑 脩平 藍野大学, 医療保健学部, 助教 (20782684)
|
研究分担者 |
寺山 慧 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 准教授 (50789328)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 発達障害 / 書字能力 / 画像解析 |
研究実績の概要 |
研究初年度(2021年度)としては、(1)書字データ収集用のアプリケーションの開発、(2)小学校での定型発達児のデータ収集を中心に研究を進めた。 (1)に関しては、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、研究代表者並びに研究協力者の小学校訪問が難しく、そのため小学校教諭でも簡便にデータ収集が可能なアプリケーションを開発し、研究の進行を早めることを目指した。このアプリケーションは、iPadとapple pencilを用いて、簡便に書字の質的側面(ペンの傾き・筆圧・書字の運動軌跡・書字速度)を測定できる装置である。 (2)に関しては、感染状況が下火になった際に、2つの小学校にて大規模にデータ収集を実施した。書字評価以外にも、関連機能の評価として、姿勢バランス機能(JPAN感覚処理行為機能検査の一部)、眼球運動(DEM・NSUCO)、手指操作(臨床観察検査の一部)などのデータを収集するとともに、小学校教諭より普段の書字の様子についての聴取も行った。その中で、姿勢バランス機能の評価では、JPANの姿勢バランス検査の下位項目である「手足を伸ばしてエクササイズ(四つ這いで右手・左足/左手・右足を地面から離し、空中で保持できる時間を計測する評価)」に天井効果が確認されたため、より質的側面を評価することを目的に、画像解析技術を応用した姿勢評価指標の開発も同時に行うことになった。 総じて、初年度としては、おおむね予定通りの研究実績であったと捉えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画では、初年度(2021年度)と次年度(2022年度)にて健常大学生・定型発達児・書字障害児のデータ収集を完了することを予定していた。初年度の終了地点では、最もN数が必要でデータ収集が難しい定型発達児のデータは概ね収集できており、加えて2022年度に、健常大学生・書字障害児のデータ収集を行うスケジュールも立っていることから、おおむね順調に進展していると捉えている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究2年目(2022年度)は、(1)データ収集の継続、(2)データ解析を予定している。 (1)に関しては、上述の通り、①健常大学生、②書字障害児のデータ収集を行う予定である。健常大学生は研究代表者が所属する藍野大学の学生よりデータ収集を行う。また、②書字障害児は研究協力者の所属施設である児童デイサービスFLOW、NPO法人はびりす、ハートランドしぎさんこどもと大人の発達センターにてデータ収集を行う予定である。 (2)に関しては、研究3年目(2023年度)も含めて実施予定で、収集できたデータの統計解析に加えて、画像解析技術を応用した「文字の読みやすさ」に関する指標作成を行う。これらが完了できれば、書字の評価基盤開発ができると想定している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大に伴い、(1)研究会議がオンラインにて開催されたために交通費・会議費が不要になったこと、(2)apple製品の入荷が遅れ購入できていない物品があることから、予定よりも少ない金額になっている。
|