研究課題
認知症は、進行性の脳疾患によって生じ、記憶、施行、見当識、理解、計算、学習、言語、判断など多岐にわたる認知機能の障害からなる症候群である。介護者・家族や社会全体への負担は重く、現代社会の深刻な問題のひとつとなっている。2025年には、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、認知症患者は少なくとも730万人に急増することが予測されているが、根本治療薬の開発はことごとく失敗に終わっている。一方、音楽療法、脳トレ、有酸素運動、アートセラピー、エンタテインメントロボットなどの非薬物療法は、認知症の予防・進行抑制において非常に重要な役割を担っている。しかし、非薬物療法は実施者の経験と勘を頼りに、症状や重症度に関係なく同一の介入を行うなど、医学的なエビデンスを伴わないものも多い。根本治療薬がなく、世界に先駆けて認知症患者が急増し、労働年齢人口が急速に減少している日本社会にとって、信頼に足るエビデンスを持ち、合理的で効率的な一人一人に合わせた非薬物療法の介入方法の確立は必須である。これまでに申請者は、より効率的な非薬物療法の介入を実施するために、介入前の残存している中核症状と脳MRI画像から効果的な非薬物療法 の種類を選択することができる可能性を示した。進行性の脳疾患であるため、残存している能力を活かす方法が鍵となる。本申請では研究をさ らに発展させ、高齢者・認知症患者を対象に、神経心理検査と脳MRI検査の医学的データを取得し、そこから推定される残存機能を最大限に活かす、オーダメイド型非薬物療法の開発を行う。
3: やや遅れている
新型コロナウイルス感染症のため、対面での介入ができないため。
オンラインでの介入を進め、研究計画に則った研究を進めていく。
新型コロナウイルス感染症のため、対面での介入ができなかったため。オンラインでの介入の費用、論文の掲載料等に使用する。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件)
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