研究課題/領域番号 |
21K12195
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
竹内 聖悟 高知工科大学, 情報学群, 講師 (40625258)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 多様性 / ゲーム |
研究実績の概要 |
主にボードゲームを対象として、ゲームAIの多様性を評価・活用することが本プロジェクトの目的である。これまでの研究・開発はゲームAI単体の強化が主な目的であったが、合議のように複数のゲームAIを用いる手法や、多人数ゲームのように複数のゲームAIが必要とされるゲーム、適切な対戦相手として複数のゲームAIを切り替えるなど、多様なゲームAIが必要とされる場面が増えつつある。一方で、ゲームAIの多様性については研究が少なく、多様性の計測・評価方法を得ることで、多様性が必要とされる場面での活用による性能改善などを目的とする。 初年度は、多様性をどのようにして計測・評価するかについて、集団学習などを始めとしたゲーム以外の分野において多様性評価手法を調査し、それらがゲームAIにおいても利用可能かなどを検討している。また、その過程において二人零和有限確定完全情報ゲームの代表的なゲームである、将棋・チェス・囲碁において探索手法や形勢判断手法が異なるゲームプレイヤを用意し、その探索過程に差がないかを調べ、新しい発見があった。また、多様性の応用の例としてモンテカルロ木探索におけるプレイアウト方策が考えられ、その方策の作成について遺伝的プログラミングを利用する手法を提案した。 これらの成果については、探索過程の差については国際会議に投稿中であり、引き続き研究・解析を進めていく予定である。また、モンテカルロ木探索のプレイアウトについては、国内のワークショップで発表しており、その後の実験などをまとめて論文誌への投稿を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、ゲームAIの多様性についてのデータや指標についての検討が主であり、その部分はやや遅れはあるものの調査・検討は進められている。一方で、データを集める中での新しい発見があり、その研究を進められたことと総合するとおおむね順調であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査によって得られた指標についてゲームでの利用可能性の検討を深め、これまでに得たデータをもとに、実際的な評価を行う予定である。特に、多数決などの集団による意思決定を対象として、多様性を評価する他、多様性と性能のトレードオフに着目して研究を進める。 また、今年度得られた予定外の発見についても引き続き研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
半導体不足などの影響もあってか購入予定の物品が当初予定を上回ったものの、感染症などの影響で学会参加費については当初の予定を下回ったため、総合して次年度使用額が生じた。差額については、次年度の学会参加費として使用する予定である。
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